COLUMN AGA基礎知識

AGA治療薬でジェネリックはおすすめ?9種の比較と価格や副作用を紹介

公開日:2023/03/13

更新日:2023/03/16

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病院やクリニックで処方される治療薬は、大きく先発医薬品とジェネリック(後発医薬品)の2つに分類されます。

AGA(男性型脱毛症)は進行型の脱毛症のため、ジェネリックを選ぶと治療費の大幅な削減が期待できます。

ジェネリックは低価格のため自己負担額が少なく、先発医薬品とまったく同一の有効成分が含まれていますが、含まれる添加物は異なることがあります。

本記事ではAGA治療薬のジェネリック医薬品の特徴やメリット・デメリット、および利用する際の注意点について解説します。

(※本記事は日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」を参考に作成しています。)

AGA治療薬のジェネリック医薬品の特徴

AGA治療薬のジェネリック医薬品には、以下の2つの特徴があります。

  • ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分を含む
  • 有効成分ごとにジェネリック医薬品が存在する

2つの特徴について解説します。

ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分を含む

ジェネリック医薬品の特徴は、先発医薬品と同じ有効成分を含むことです。厚生労働省では、ジェネリック医薬品について次のように定義しています。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、同一経路から投与する製剤で、効能・効果、用法・用量が原則的に同一であり、先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品をいいます。

ジェネリック医薬品 Q&A

治療学的に先発医薬品とジェネリック医薬品は同等に扱われており、同じ効果や効能が期待できます。また、ジェネリック医薬品も厚生労働省から正式に認可を受けているため、安心・安全に利用することが可能です。

有効成分ごとにジェネリック医薬品が存在する

AGA治療薬に関しては、有効成分ごとにジェネリック医薬品が製造されています。現在のところ、厚生労働省により認可されているAGA治療薬の有効成分はフィナステリドとデュタステリド、およびミノキシジルの3つだけです。

フィナステリドとデュタステリド、およびミノキシジルに期待できる効果や使用時の注意点、起こり得る副作用などは以下の表を参考にしてください。

フィナステリドデュタステリドミノキシジル
期待できる効果抜け毛を予防抜け毛を予防発毛を促進
使用を避けるべき人の特徴女性、妊活中の男性女性、妊活中の男性妊活中や妊娠中、授乳中の方
使用時の注意点女性の手に触れないようにする女性の手に触れないようにする朝食後に1日1回1錠の服用イブプロフェンやED治療薬などと併用できない
起こり得る副作用リビドー減退(1.1%)勃起機能不全(0.7%)乳房の女性化、肝機能障害、男性機能の低下(10パーセント未満)多毛症、ニキビ、動悸、息切れ、むくみなど
効果を実感できるまでの期間6ヶ月程度6ヶ月程度6ヶ月程度

フィナステリド内服薬とデュタステリド内服薬には、AGAの原因となる5αリダクターゼのはたらきを妨げ、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制し、抜け毛を予防する効果が期待されています。

ただし、ジヒドロテストステロン(DHT)は男児の生殖器の成長に欠かせないホルモンでもあるため、男児を妊娠中の女性や授乳婦の服用はもちろん、手に触れることも避けましょう。

また、フィナステリドとデュタステリドには性機能障害を引き起こす可能性がわずかにあるため、妊活中の男性は注意が必要です。

ミノキシジルに関しては外用薬(塗り薬タイプ)だけが認可されており、発毛を促進する効果が期待できます。

内服タイプのミノキシジルには多毛症やニキビ、動悸、息切れ、むくみなどの副作用を引き起こす可能性がありますが、外用薬の場合には頭皮のかゆみや赤みなどがまれに見られる程度です。

AGA治療薬でジェネリック医薬品を選ぶメリット

AGA治療薬でジェネリック医薬品を選ぶメリットは以下の3つです。

  • 低価格であるため自己負担額が少ない
  • 先発医薬品と比べ改良されているものもある
  • 国民医療費の削減に貢献できる

3つのメリットについて解説します。

低価格であるため自己負担額が少ない

AGA治療薬でジェネリック医薬品を選ぶメリットの1つが、先発医薬品に比べて低価格であるため自己負担額が少ない点です。

1つの先発医薬品を作るためには、およそ9年から17年の期間と、300億円以上の開発費用が必要とされているため、研究・開発への投資や発売前後の有効性、安全性評価試験の費用などを加味した価格の設定がされています。

一方、ジェネリック医薬品の場合には開発期間が3年から5年と短いうえに、開発費用もおよそ1億円に抑えられるため、販売価格を先発医薬品よりも安く設定することが可能です。

参照元:ジェネリック医薬品はどうして安いの?

進行型の脱毛症であるAGAを治療する場合は、治療薬を長期間にわたり服用する必要があるため、長い目で見ると先発医薬品を利用した場合と、ジェネリック医薬品を利用した場合とではかなりの金額差になります。

先発医薬品と比べ改良されているものもある

先発医薬品と比べ改良されている医薬品がある点も、AGA治療薬でジェネリック医薬品を選ぶメリットの1つです。先発医薬品とジェネリック医薬品には同じ有効成分が含まれていますが、添加剤などは異なる場合もあります。

異なる添加剤で先発医薬品と色や形、味、香りなどを変えることで治療薬を飲みやすくしたり、体内に吸収しやすくすることが可能です。外用薬のミノキシジルに関しても、添加剤により快適な使用感を得ることができます。

AGA治療薬は原則的に毎日の服用、および塗布が必要とされるため、飲みやすさや使用感は重要です。

国民医療費の削減に貢献できる

国民医療費の削減に貢献できることも、ジェネリック医薬品を選ぶメリットの1つです。ジェネリック医薬品は開発費用が抑えられるため、医療費の削減にも貢献することが可能です。

厚生労働省でも患者負担の軽減や医療保険財政の改善を目的に、ジェネリック医薬品の普及に努めてきました。

その結果、2011年の9月には22.8%だったジェネリック医薬品の普及率(全国平均)が、2021年の9月には79.24%にまで上昇しています。

参照元:厚生労働省ホームページ

審美目的で行われるAGA治療には健康保険の適用がありませんが、患者負担の軽減につながる点に変わりはありません。

AGA治療でジェネリック医薬品を選ぶデメリット

AGA治療でジェネリック医薬品を選ぶデメリットは以下の2つです。

  • 先発医薬品とまったく成分が同じというわけではない
  • 安全性試験は任意での実施である

2つのデメリットについて解説します。

先発医薬品とまったく成分が同じというわけではない

AGA治療薬のジェネリック医薬品は、先発医薬品とまったく同じ成分で作られているわけではありません。添加剤が異なる場合には、薬疹(アレルギー)を引き起こす可能性があります。

また、同じ有効成分が含まれていても「効果が出にくい」あるいは「薬が効きすぎる」などの弊害が出る可能性もあります。

AGA治療薬のジェネリック医薬品に用いられる添加剤に関しては安全性が確認されていますが、仮に上記の弊害が見られる場合は、医師に相談して治療薬を変更してもらいましょう。

参照元:ジェネリック医薬品 Q&A

安全性試験は任意での実施である

AGA治療でジェネリック医薬品を選ぶデメリットの1つが、安全性試験が任意で実施されている点です。多くのジェネリック医薬品では「有効性の試験」が重視される傾向にあります。

多額の費用が掛かる安全性試験は任意で実施されるため、副作用のデータが蓄積されていないこともあります。しかし、先発医薬品もジェネリック医薬品も、有効性や安全性が確認されたものだけが承認されているため、ジェネリック医薬品だからといって安全性に欠けることはありません

ジェネリック医薬品はAGAクリニックで処方あり

ジェネリック医薬品はAGAクリニックでも処方しています。AGAは進行型の脱毛症のため、継続的に治療薬を服用する必要があります。

その際にネックとなるのが薬代ですが、ジェネリック医薬品を利用することで、治療費を削減することが可能です。

ベアAGAクリニックではプロペシアのジェネリックを2,750円(1ヶ月分)で提供しているため、現状維持が目的の方や、これからAGA治療を受けようか検討している方におすすめです。

AGA治療目的で個人でのジェネリック輸入は危険

AGA治療目的で行う個人でのジェネリック輸入は危険なので避けましょう。海外製のジェネリックは国内製品よりも安価なため、自分の判断で服用する方もいます。

しかし、海外製のジェネリックには粗悪品や偽物が混じっていることもあるため、期待した効果を得られない可能性があります。

また、国内で承認されていない医薬品を服用して副作用が起こった場合には、「医薬品副作用被害救済制度」が適用されません。

参照元:医薬品副作用救済制度とは

AGA治療は基本的に長期にわたり行うため、国内製の安全な医薬品を利用しましょう。

AGA治療薬の先発医薬品・ジェネリック医薬品の特徴を比較

AGA治療薬の先発医薬品には以下の3つがあります。

  • ミノキシジル
  • プロペシア
  • ザガーロ

3つの先発医薬品とジェネリック医薬品との違いについて解説します。

ミノキシジル

ミノキシジルは外用薬のみジェネリック医薬品があります(内服タイプのミノキシジルは国内で承認されていません)。先発医薬品とジェネリック医薬品の特徴や違いは以下の表を参考にしてください。

医薬品名価格相場特徴
リアップシリーズ(先発医薬品)3,400円~7,300円国内初のミノキシジル外用薬
1%~5%外用薬を選択可能
メディカルミノキ57,800円グリセリンを配合でしっとりとした使用感
クッションラバーヘッドで頭皮への刺激を緩和
リグロEX54,950円定期コースにしなくても比較的低価格
オリジナルヘッドで広範囲に塗布しやすい
FCI3,500円~7,480円計量器に1回分の薬液が量り取られるため使いやすい

国内で初めて販売されたミノキシジルの先発医薬品が、大正製薬が販売するリアップシリーズです。ミノキシジルには血管を拡張して血液の循環を促すことで、発毛を促進する効果が期待されています。

また、プロペシアやザガーロとは異なり、女性でも利用できる点が特徴です(ただし1%外用薬に限る)。

2018年に国内での特許期間が過ぎたことから、各製薬会社からミノキシジルのジェネリック医薬品が販売されています。

メディカルミノキ5は、アンファー株式会社が製造・販売している5%のミノキシジル外用薬で、グリセリンが配合されているためしっとりとした使用感が特徴です。クッションラバーヘッドで薬剤を塗布する際の、頭皮への刺激を緩和しています。

リグロEX5はロート製薬が販売する5%のミノキシジル外用薬で、定期コースにしなくても比較的低価格な点が特徴です。オリジナルヘッドで広範囲に塗布しやすいよう工夫されています。

FCIは富士化学工業が開発した5%のミノキシジル外用薬で、計量器に1回分の薬液が量り取られるため、使いやすい点が特徴です。

いずれも定期コースで購入した場合に割引が適用されるほか、薄毛治療専門のクリニックで処方される場合には、市場価格よりも安価で購入できることがあります。

プロペシア

プロペシアは世界で初めて開発されたAGA治療薬ですが、国内での特許期間を過ぎたことから、各製薬会社からジェネリック医薬品が販売されています。先発医薬品のプロペシアと主なジェネリック医薬品の違いは以下の表を参考にしてください。

医薬品名価格相場特徴
プロペシア4,000円~8,000円薄ピンクの円形錠
ファイザー5,000円読みやすいフォントを使用
サワイ4,300円円形のフィルムコーティング錠
武田テバ4,490円薄い赤色のフィルムコーティング錠

プロペシアにはAGAの原因となる5αリダクターゼのはたらきを妨げ、抜け毛を抑制するはたらきが期待されており、処方価格の目安は4,000円から8,000円です。価格に差があるのは、AGA治療には保険が適用されず、病院やクリニックごとに薬代を設定しているためです。

また、ジェネリック医薬品の場合に、複数個を同時購入することで割引が適用されることもあります。色や形状に若干の違いがあるものの、効果や効能に違いはありません。

ザガーロ

ザガーロは2016年の6月に国内での販売が開始されましたが、2020年からザガーロのジェネリック医薬品が各製薬会社から販売されました。先発医薬品のザガーロと主なジェネリック医薬品の違いについては以下の表を参考にしてください。

医薬品名価格相場特徴
ザガーロ10,000円~12,000円「GS MUF」の刻印あり
トーワ6,500円~7,000円正規品のザガーロよりも幅が太く短い
サワイ7,000円淡黄白色のフィルムコーティング錠
MYL6,500円サワイと同じ大きさ

プロペシアの有効成分であるフィナステリドが2型5αリダクターゼのみを阻害するのに対し、ザガーロの有効成分であるデュタステリドは1型、2型5αリダクターゼ両方を阻害します

ジェネリック医薬品には正規品と色や形が異なる商品もありますが、効果や効能に違いはありません。また、複数個を同時購入すると割引が適用されることもあります。

AGA治療でジェネリック医薬品を利用する際の注意点

AGA治療でジェネリック医薬品を利用する際は、以下の2点に注意しましょう。

  • 服用時に副作用が出た場合にはAGAクリニックへ相談する
  • ジェネリック医薬品の個人での輸入・使用は行わない

2つの注意点について解説します。

服用時に副作用が出た場合にはAGAクリニックへ相談する

AGA治療でジェネリック医薬品を服用しているときに副作用が出た場合には、速やかにAGAクリニックへ相談しましょう

ジェネリック医薬品に関しては副作用のデータが蓄積されていないため、日常生活に支障をきたすようであれば、専門医の診察を受けることが重要です。

AGA治療薬のジェネリック医薬品には先発医薬品と同じ有効成分が含まれているため、先発医薬品と同様の副作用を引き起こす可能性があります。AGA治療薬のジェネリック医薬品で起こり得る主な副作用については以下の表を参考にしてください。

起こり得る副作用発現頻度
フィナステリド錠リビドー減退
勃起機能不全
1.1%
0.7%
デュタステリド錠性機能不全
乳房障害・発疹・抑うつ症状・腹部不快感・頭痛など
1%以上
1%未満
ミノキシジル(外用薬)頭皮のかゆみ
発疹
4%
1.3%

参照元:フィナステリド錠添付文書デュタステリドカプセル添付文書ミノキシジルのリスク区分について

AGA治療薬のジェネリック医薬品で副作用を引き起こす可能性はそれほど高くありませんが、異常がある場合には医薬品を携行して専門医の診察を受けましょう。

ジェネリック医薬品の個人での輸入・使用は行わない

AGA治療でジェネリック医薬品を利用する場合には、医薬品の個人での輸入・使用は行わないようにしましょう。海外製の医薬品は日本の厚生労働省の認可を受けていないため、有効性や安全性が担保されていません。

また、偽物や粗悪品が送られてくる可能性があるだけでなく、代金の支払いを済ませたにも関わらず、商品が届かないなどの事例も見られます

海外製の医薬品を服用して副作用が出た場合には、国からの救済措置を受けられないため注意が必要です。AGA治療は長期にわたり行うことが一般的のため、安全・安心な国内製のジェネリック医薬品を利用しましょう。

AGA治療でジェネリック医薬品を使う場合のご相談はベアAGAクリニックへ

AGA治療でジェネリック医薬品を使う場合には、ベアAGAクリニックへご相談ください。ジェネリック医薬品には先発医薬品と同じ有効成分が含まれているため、先発医薬品と同等の効果が期待できます。

また、先発医薬品よりも販売価格や処方価格が安く設定されているため、長期にわたり治療を続ける必要があるAGAの治療薬に最適と言えるでしょう

海外製のAGA治療薬のジェネリック医薬品も安価で販売されていますが、安全性や有効性が担保されておらず、副作用が起きても自己責任となるため避けた方が無難です。

ベアAGAクリニックでもAGA治療薬のジェネリック医薬品を扱うほか、オンライン診療も行っているため、できるだけ治療費を抑えたい方でも安心してAGA治療が続けられます。

治療に関する疑問やジェネリック医薬品をはじめとする治療薬に関する相談、費用に関するお悩みなどは専門のカウンセラーが無料で伺います。まずは電話かメールでお気軽にご相談ください。

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

【経歴】東京医科大学卒業後、放射線科に入局し、放射線の専門医を取得。大手AGAクリニックで勤務医として約3年間診療現場で実践を重ね経験を積む。2020年2月、新宿三丁目駅の近くにベアAGAクリニック新宿院を開院。
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