COLUMN AGA基礎知識

ミノキシジルをやめたらどうなる?ミノキシジルの効果ややめるタイミングについて解説

公開日:2023/03/13

更新日:2023/03/13

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「ミノキシジルの使用をやめたらどうなる?」「ミノキシジル内服薬と外用薬はどう違う?」

などと思われている方もいらっしゃると思います。

ミノキシジルは厚生労働省により発毛効果が認められた有効成分の1つで、男性だけでなく女性の薄毛治療にも利用されています。

日本皮膚科学会もAGA治療の際にミノキシジルの外用を強く勧めていますが、ミノキシジルの服用をやめたらどうなるのか心配な方もいるのではないでしょうか。

本記事ではミノキシジルの効果や使用をやめた場合に考えられること、減量すべきタイミングなどについて解説します。

ミノキシジルの服用をやめるべきでない人の特徴も紹介しているため、効果がなかなか実感できない方は参考にしてみてください。

(※本記事は日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」を参考に作成しています。)

目次

ミノキシジルの服用をやめたらどうなるのか

ミノキシジルの服用をやめた場合には、次の3つのことが考えられます。

  • 再び薄毛が進行する可能性がある
  • 減薬の場合では髪の毛の量を維持することが期待できる
  • ミノキシジルをやめてフィナステリドだけを服用しても毛量は増やせない

3つの点について解説します。

再び薄毛が進行する可能性がある

ミノキシジルの服用をやめた場合には、再び薄毛が進行する可能性もあるため注意が必要です。薄毛にはさまざまなタイプがありますが、男性に見られる代表的な脱毛症がAGAです。

AGAは進行型の脱毛症のため、ミノキシジルを利用して髪の毛の量が増えても、服用をやめると再び薄毛が進行する可能性があります。

ミノキシジルの効果がなかなか実感できない場合には、自分の判断で服用を中止せずにかかりつけの医師に相談しましょう。

減薬の場合では髪の毛の量を維持することが期待できる

ミノキシジルの服用をやめずに減薬した場合では髪の毛の量を維持することが期待できます。男性に見られるAGAは進行型のため、発症が確認されたら根気よく治療を続けることが重要です。

AGA治療を続けるうえでネックとなるのが薬の費用ですが、減薬することで費用負担を軽減できる可能性がある点がメリットです。ただし、ミノキシジルの服用で発毛効果が得られた場合でも、自分の判断で減薬せずに医師の指導を仰ぎましょう。

ミノキシジルをやめてフィナステリドだけを服用しても髪の毛の量は増やせない

AGA治療を行う場合はミノキシジルとフィナステリド錠の併用が一般的です。しかし、併用により発毛が見られた場合でもミノキシジルをやめてフィナステリドだけの服用にすると、髪の毛の量を増やすことが期待できません。

フィナステリドは抜け毛の原因となる5α-リダクターゼのはたらきを妨げ、抜け毛を引き起こすサイトカインの生成を抑止するため、AGA治療においては「守りの治療薬」とされています。

一方、ミノキシジルには血行促進や発毛効果が期待されているため、AGA治療においては「攻めの治療薬」とされています。両剤の併用で発毛が見られても、ミノキシジルの服用をやめると増毛が期待できなくなるため注意が必要です。

ミノキシジルを減量する・やめるべきタイミング

薄毛の治療中に次の5つのタイミングで、ミノキシジルの減量もしくは服用の中止を検討することがあります。

  • 服用開始から1年間以上も効果を実感できていない場合
  • 初期脱毛期間が長いと感じる場合
  • 副作用により日常生活に支障をきたす場合
  • 個人的に輸入したミノキシジルを使用している場合
  • 妊娠の可能性がある場合

5つのタイミングについて解説します。

服用開始から1年間以上も効果を実感できていない場合

ミノキシジルの減量や服用中止を検討するタイミングの1つが、服用開始から1年間以上も効果を実感できていない場合です。

ミノキシジルをはじめとするAGA治療薬の効果があらわれるまでに、平均で服用開始からおよそ6ヶ月~1年程度必要なため、最低でも6ヶ月はミノキシジルの服用を続ける必要があります。

ミノキシジルを服用して1年以上が経過しても効果を実感できない場合には、かかりつけの医師に相談しましょう。

効果が実感できなくても、医師によるマイクロスコープ検査などで発毛が認められることもあるため自分の判断での服用中止は禁物です。

初期脱毛期間が長いと感じる場合

初期脱毛期間が長いと感じる場合も、ミノキシジルの減量や服用中止を検討するタイミングの1つです。初期脱毛はミノキシジルの服用開始からおよそ2週間~1ヶ月頃に見られる、一時的な抜け毛量の増加を意味します。

薄毛治療をはじめたにもかかわらず抜け毛量が増えると心配になりますが、初期脱毛はミノキシジルの服用で新しく生えてきた髪の毛により古くなった髪の毛が押し出される現象のため、過度に不安になる必要はありません。

ミノキシジルの服用による初期脱毛は短くて1ヶ月ほど、長ければ3ヶ月ほど続くことがあります。初期脱毛が長いと感じる場合でも自分の判断で服用を中止せずにかかりつけの医師に相談しましょう。

副作用により日常生活に支障をきたす場合

ミノキシジルの副作用により日常生活に支障をきたす場合には、減量や服用中止が検討されます。ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、それぞれ以下の副作用を引き起こす可能性があります。

  • ミノキシジル外用薬…皮膚トラブル、頭痛、めまいなど
  • ミノキシジル内服薬…多毛症、ニキビ、動悸、息切れ、むくみなど

ミノキシジル外用薬の主な副作用は皮膚トラブルです。ミノキシジル外用薬を利用した方のおよそ2.53%~4.04%に塗布した部分のそう痒感が見られ、0.7%~1.4%に発疹が見られました。また、0.33%~0.38%の方に頭痛が、0.03%~0.25%の方にめまいが見られました。

参照元:ミノキシジルのリスク区分について

ミノキシジル外用薬の副作用にはそれほど重篤な症例がありませんが、ミノキシジル内服薬を服用した場合には多毛症やニキビ、動悸、息切れ、むくみなどを引き起こす可能性があります。

ただ、ミノキシジル内服薬は厚生労働省による認可を受けていないため、副作用の発現頻度に関するエビデンスをともなうデータがありません。

ミノキシジル内服にともない何らかの異変が起こった場合には、速やかに服用を中止してかかりつけの医師に相談しましょう。

個人的に輸入したミノキシジルを使用している場合

個人的に輸入したミノキシジルを使用している場合には服用の中止が推奨されます。ミノキシジル内服薬は海外から個人輸入できますが、海外製の治療薬には偽造品や粗悪品が紛れている可能性もあります。

また、海外製の治療薬を自己判断で服用して重篤な副作用を引き起こした場合では、国による救済措置(医薬品副作用被害救済制度)が適用されません。

外用薬とは異なり、内服タイプのミノキシジルには心臓への負担が増加するリスクがあるため、自己判断での服用は直ちに中止して専門医による診察および処方を受けましょう。

妊娠の可能性がある場合

妊娠の可能性がある場合にもミノキシジルの減量や服用中止が検討されます。ミノキシジル外用薬は厚生労働省により認可を受けており、妊婦や胎児に直接影響を与える副作用の被害は報告されていません。

しかし、妊婦の使用に関しては安全性が十分に確認されていないため、妊娠の可能性がある場合には使用を避けることがおすすめです。外用薬より副作用のリスクが高い内服薬の服用も避けましょう。

ミノキシジルの服用をやめるべきでない人の特徴

ミノキシジルの服用を途中でやめるべきでない人の特徴は以下の3つです。

  • 開始から数ヶ月など効果を実感するまで服用を継続していない
  • ミノキシジル以外の他のAGA治療薬を試してみたい
  • 服用開始直後の初期脱毛の症状が気になる

3つの特徴について解説します。

開始から数ヶ月など効果を実感するまで服用を継続していない

薄毛治療をはじめて数ヶ月しか経過していないなど、効果が実感できるまで服用を継続していない場合には、基本的にミノキシジルの服用をやめるべきではありません。

ミノキシジルに限らずAGA治療薬の効果が実感できるまでには、平均すると6ヶ月~1年程度を要する傾向にあります。AGA治療薬の効果がすぐに現れないのは、乱れたヘアサイクルを正常化させるのに一定の時間が必要なためです。

ヘアサイクルが正常化するまでに必要な期間は個人により異なるため、最低でも6ヶ月はミノキシジルの服用を継続しましょう。

ミノキシジル以外の他のAGA治療薬を試してみたい

ミノキシジル以外の他のAGA治療薬を試してみたい場合にも、服用をすぐにやめるべきではありません。ミノキシジル以外の代表的なAGA治療薬がフィナステリド内服薬とデュタステリド内服薬です。

フィナステリド内服薬とデュタステリド内服薬は、AGA治療において守りの治療薬とされており、どちらかと言えば現状維持目的で利用されます。

発毛効果を期待する場合にはフィナステリド内服薬とミノキシジル、もしくはデュタステリド内服薬とミノキシジルの併用が一般的です。ミノキシジル以外のAGA治療薬を試してみたい場合には、まず医師に相談しましょう。

服用開始直後の初期脱毛の症状が気になる

服用開始直後の初期脱毛の症状が気になる場合でも、ミノキシジルの利用をすぐにやめるべきではありません。初期脱毛の期間には個人差がありますが、およそ1ヶ月から3ヶ月すると治まることが一般的です。

初期脱毛はミノキシジルの効果が出ている裏返しでもあるため、自分の判断での服用中止は避けましょう。初期脱毛や抜け毛が気になる場合には、ミノキシジルの服用中でもウィッグや帽子を着用して構いません。

ミノキシジルの主な効果や特徴

ミノキシジルの主な効果や特徴は以下の4通りです。

  • 発毛の促進・ヘアサイクルの改善効果が期待できる
  • 短くて細い毛を成長期の髪の毛が押し出すため初期脱毛が起きる
  • ミノキシジルは女性も使用できる
  • ミノキシジルには内服薬と外用薬がある

ミノキシジルには乱れたヘアサイクルを改善して、発毛を促進する効果が期待されています。ヘアサイクルには以下の3つの時期があります。

成長期毛母細胞が活発に分裂して髪の毛が太く・長く成長する時期
退行期毛包のはたらきが弱くなり、髪の毛の成長が鈍くなる時期
休止期髪の毛の成長が完全に停止し、毛穴から離れはじめる時期

薄毛を発症するとヘアサイクルの成長期が短縮され、髪の毛が細く・短くなる傾向があります。ミノキシジルの服用によりヘアサイクルが改善されると、短くて細い髪の毛を成長期に入った髪の毛が押し出すため初期脱毛が起こります。

ミノキシジルは女性でも使用できることが特徴です。また、ミノキシジルには内服薬と外用薬の2種類があります。外用薬は厚生労働省により認可されていますが、内服薬は認可外のため服用の際には注意が必要です。

AGAクリニックでは定期的に血液検査を行うなど、副作用のリスクを徹底管理したうえでミノキシジル内服薬を利用します。

日本皮膚科学会はミノキシジル外用薬の使用を強く勧めている

日本皮膚科学会では薄毛治療に際してミノキシジル外用薬の使用を強く勧めています。薄毛を治療する際のガイドラインによると、ミノキシジル外用薬はAランク(行うよう強く勧める)の治療法に分類されています。

特に女性の薄毛治療に関しては現在のところ、ミノキシジル外用薬以外にAランクの治療法がありません。

参照元:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

ミノキシジルを使用していて気になったことがあれば自分で判断せずに専門医の判断に従う

ミノキシジルの使用中に気になったことがあれば、自分で判断せずに専門医の判断に従うことが重要です。特に内服タイプのミノキシジルは心臓への負担が増加する恐れがあるため、何らかの異常が見られた場合には速やかに専門医に診てもらいましょう。

薄毛の治療自体は皮膚科でも受けることができますが、皮膚科医は皮膚疾患全般の専門家であるため、AGAの発症が疑われる場合にはAGA治療専門のクリニックの受診がおすすめです。

ベアAGAクリニックでは症状に応じて複数の治療コースを用意しているだけでなく、途中での変更やキャンセルに返金にも対応しているため安心して治療を続けられます。

また、ベアAGAクリニックの院長は1万人以上の治療実績があるだけでなく、改善が難しいとされる女性の薄毛も専門的に扱っています。

ミノキシジルと併用しての服用がおすすめの治療薬

ミノキシジルとの併用がおすすめの内服薬は以下の2つです。

  • フィナステリド
  • デュタステリド

2つの治療薬について解説します。

フィナステリド

フィナステリドにはAGAの原因である5α-リダクターゼのはたらきを妨げ、抜け毛を予防する効果が期待されています。

代表的なフィナステリド内服薬のプロペシアは世界初のAGA治療薬で、現在では60ヶ国以上で利用されています。

フィナステリドはミノキシジルと異なる作用機序を持つため、両剤を併用すると抜け毛予防と発毛促進の両方の効果が期待できます。

ただし、フィナステリドは女性の薄毛に対する安全性および有効性が確認されていません。また、男児の生殖器の成長に悪影響をおよぼす可能性があるため、妊娠中や授乳中の女性が誤飲したり触れたりしないよう注意しましょう。

デュタステリド

フィナステリドが主に2型5α-リダクターゼのはたらきを妨げるのに対し、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型両方の5α-リダクターゼに作用するため、フィナステリドよりも高い抜け毛予防の効果が期待されています。

同じ作用機序を持つフィナステリドとデュタステリドは併用できませんが、ミノキシジルとの併用は可能です。また、フィナステリドと同様に妊娠中や授乳中の女性が誤飲したり触れたりしないよう注意が必要です。

ミノキシジルについてよくある質問

ミノキシジルに関しては、以下の2つの質問が多く寄せられています。

  • ミノキシジル内服薬と外用薬の違いは?
  • ミノキシジルが効かない人の特徴は?

2つの質問にお答えします。

ミノキシジル内服薬と外用薬の違いは?

ミノキシジル内服薬と外用薬には、主に以下の違いがあります。

ミノキシジル内服薬ミノキシジル外用薬
厚生労働省の認可受けていない受けている
副作用多毛症、ニキビ、動悸、息切れ、むくみなど皮膚トラブル、頭痛、めまいなど

ミノキシジル内服薬と外用薬の効果はいずれも発毛の促進ですが、ミノキシジル外用薬は頭皮に塗布して用いるため場合により皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。

ミノキシジル内服薬には心臓への負担が増加するリスクがあるため、動悸や息切れ、むくみなどの副作用が報告されています。心臓に不安がある方や高血圧の方、高齢の方がミノキシジル内服薬を利用する際には必ず医師の診察を受けましょう。

参照:ミノキシジルのリスク区分について|厚生労働省

ミノキシジルが効かない人の特徴は?

ミノキシジルが効かない場合には、AGA以外の脱毛症を発症している可能性が疑われます。例えば円形脱毛症を発症している場合には、ミノキシジルよりも局所免疫療法などの治療法が有効です。

また、医師の指導下ではなく自己判断で使用した場合にも効果を期待できない可能性があります。ミノキシジルの効果が表れるまでには6ヶ月から1年程度を必要とするため、発毛効果を実感するためにも定期的なクリニックの受診がおすすめです。

ミノキシジルの使用をやめたいなどAGA治療に関するご相談はベアAGAクリニックへ

ミノキシジルの使用をやめたいなど、AGA治療に関するご相談はベアAGAクリニックまでお問い合わせください。ミノキシジルは厚生労働省による認可を得た治療薬で、適切に利用すると発毛を促進する効果が期待できます。

しかし、ミノキシジルの利用にともない初期脱毛が起こる場合や、効果をなかなか実感できない場合などに自分の判断で利用を中止する方もいます。

ミノキシジルの効果が表れるまでには平均6ヶ月から1年程度が必要なため、継続的に利用を続けることが重要です。1年以上が経過しても効果が現れないようであれば、医師に相談してほかの治療法を検討しましょう。

ベアAGAクリニックでは、フィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬とミノキシジルを併用して男性の薄毛の改善を図るだけでなく、スピロノラクトン内服薬との併用で女性の薄毛改善にも取り組んでいます。

AGAをはじめとする薄毛に関する質問やお悩みには、ベアAGAクリニックの専門のカウンセラーが無料でお応えします。こちらからは治療を強要しませんので、なんでもお気軽にご相談ください。

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

【経歴】東京医科大学卒業後、放射線科に入局し、放射線の専門医を取得。大手AGAクリニックで勤務医として約3年間診療現場で実践を重ね経験を積む。2020年2月、新宿三丁目駅の近くにベアAGAクリニック新宿院を開院。
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