COLUMN FAGAの基礎知識

妊娠初期に抜け毛が増える原因を紹介|妊娠中にできる抜け毛対策や抜け毛がいつまで続くか解説

公開日:2023/03/13

更新日:2023/03/16

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「妊娠してから抜け毛が増えた気がする」「妊娠中に自分でできる抜け毛対策を教えてほしい」

妊娠中の女性の身体にはさまざまな変化が見られますが、妊娠初期に抜け毛が増えることもあります。

排水溝に詰まる髪の毛の量があまりにも多い場合には、薄毛になるのではないかと心配になる方もいるのではないでしょうか。

本記事では妊娠初期に抜け毛がひどくなる原因や、おすすめの対策法について解説します。妊娠初期の抜け毛を早く改善したい方は参考にしてみてください。

(※本記事は日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」を参考に作成しています。)

目次

妊娠初期に抜け毛がひどい理由・原因

妊娠初期に抜け毛がひどくなる理由や原因は主に以下の3つです。

  • 慣れない妊娠生活やホルモンバランスの変化によるストレス
  • 栄養が優先的に赤ちゃんへ送られることによる栄養不足
  • 胎動や自律神経の乱れによる睡眠不足

3つの理由・原因について解説します。

慣れない妊娠生活やホルモンバランスの変化によるストレス

妊娠初期に抜け毛ひどくなる理由や原因の1つが、慣れない妊娠生活やホルモンバランスの変化によるストレスです。

女性はもともと男性に比べるとストレスを感じやすいですが、妊娠中のホルモンバランスの変化により、感情の起伏が大きくなる傾向にあります。

参照元:国民生活基礎調査・悩みやストレスの状況

妊娠初期にマタニティブルーへと陥りやすいのも、ホルモンバランスの変化によるストレスが原因だと考えられています。

ストレス状態が継続すると血管が収縮して血液の循環を妨げるため、髪の毛の成長に必要な栄養が不足して抜け毛リスクを増加させます。

参照元:ストレスと循環器病|循環器病研究振興財団

栄養が優先的に赤ちゃんへ送られることによる栄養不足

食事から摂取した栄養が赤ちゃんへ優先的に送られ、栄養不足状態に陥ることも、妊娠初期に抜け毛ひどくなる理由や原因の1つです。

例えば妊娠中に摂取した鉄分は赤ちゃんへ優先的に送られますが、鉄分が不足すると髪の毛の成長に必要な栄養が不足し、抜け毛のリスクを増加させると考えられています。

参照元:妊娠中の食事について|京都府精華町
参照元:鉄は美容にも関係しているの?

胎動や自律神経の乱れによる睡眠不足

胎動や自律神経の乱れによる睡眠不足も、妊娠初期に抜け毛ひどくなる理由や原因の1つです。胎動は14週ごろから始まりますが、まだ赤ちゃんが小さいため妊娠後期ほどの強さは感じられません。

参照元:胎動はいつから?妊娠時期別でわかる胎動の感じ方

しかし、睡眠中にこれまでになかった胎動が起こると、慣れるまで気になり寝不足に陥ることがあります。また、妊娠中のストレスにより自律神経のバランスが乱れると、夜間も交感神経が優位の状態が続き、睡眠の質を低下させるリスクが増加します。

睡眠の質が低下すると、就寝中の毛母細胞の分裂が滞り、髪の毛の成長を妨げる恐れがあるため注意が必要です。

妊娠中の抜け毛はいつからいつまで続くのか

妊娠中の抜け毛には個人差があり、いつからいつまで続くのかに関してはエビデンス(医学的根拠)をともなう明確なデータがありません。

妊娠中は基本的に女性ホルモンの分泌量が増加するため、髪の毛の量も増える傾向にありますが、妊娠初期に限り一時的に分泌量が減少するため、抜け毛の量が増えやすいとされます。

女性ホルモンの分泌量が増加しはじめる時期は人により異なりますが、一般的には妊娠中期には抜け毛が治まると考えられます。

妊娠初期におすすめの抜け毛対策

妊娠初期におすすめの抜け毛対策は以下の6つです。

  • 抜け毛がひどい場合には専門医に相談する
  • 栄養バランスのいい食事をとる
  • つわりで思うように食事がとれない場合はサプリメントを服用する
  • 自分にあった妊娠中でもできるストレス解消法を見つける
  • 睡眠時間を十分確保する
  • 頭皮・髪の毛のケアを怠らない

6つの対策について解説します。

抜け毛がひどい場合には専門医に相談する

妊娠初期の抜け毛がひどく感じる場合には専門医に相談しましょう。抜け毛の原因は個人によりさまざまなため、まずは原因を突き止めることが重要です。原因に応じた適切な対処ができれば、妊娠中の抜け毛の量を減らす効果が期待できます。

妊娠中の抜け毛について相談するのであれば、かかりつけの産婦人科医だけでなく薄毛治療専門のクリニックもおすすめです。薄毛治療専門のクリニックであれば、マイクロスコープなどを用いて詳しく抜け毛の原因を調べてくれます。

栄養バランスのいい食事をとる

栄養バランスのいい食事を意識することも、妊娠初期におすすめの抜け毛対策の1つです。普段の食事に次の栄養素を積極的に取り入れましょう。

栄養素はたらき多く含む食品
タンパク質髪の毛を作る原料となる肉類・魚類・大豆製品・乳製品など
亜鉛アミノ酸をケラチンへと再合成する牡蠣・豚レバー・するめ・チーズなど
ビタミンB群健康な肌や髪の毛を作る肉類・魚介類・穀類など
ヨウ素タンパク質の合成を促進する海藻類・レバーなど
イソフラボンエストロゲンに似たはたらきをする大豆製品

髪の毛はタンパク質からできているため、日頃の食事に肉類や魚類、大豆製品、乳製品などを取り入れましょう。

ただし、タンパク質はいったんアミノ酸レベルまで分解されるため、髪の毛へと再合成するためには亜鉛やヨウ素の摂取も欠かせません。また、健康な肌や髪の毛を作るためには、ビタミンB群やイソフラボンの摂取も必要です。

つわりで思うように食事がとれない場合はサプリメントを服用する

栄養バランスのいい食事が必要と頭で理解はしていても、つわりで気持ち悪く思うように食事がとれない場合には、サプリメントを服用する方法があります。

つわりは妊娠5週ごろからはじまり、8週~10週ごろにピークを迎えます。つわりがひどい期間は無理をせず、サプリメントを服用したうえでしっかりと水分補給を行いましょう。

妊娠初期の段階では赤ちゃんもまだ小さいため、食事を十分に摂らなければと焦る必要はありません。妊娠12週~13週頃にはつわりが終わりを迎える傾向があります。

参照元:つわりはいつ始まるの?

自分にあった妊娠中でもできるストレス解消法を見つける

自分にあったストレス解消法を見つけると、妊娠初期の抜け毛予防が期待できます。身体に大きな負担がかかる激しい運動は避けるべきですが、つわりがそれほどひどくない場合には近くを散歩するなど無理のない範囲で身体を動かすと、ストレスの発散につながります。

運動が苦手な方やつわりがつらい場合では、好きな音楽を聴いたり映画を見るなどリラックスするのがおすすめです。ストレスの発散法は個人によりさまざまなため、自分に合った方法を見つけておきましょう。

睡眠時間を十分確保する

十分な睡眠時間の確保も、妊娠初期の抜け毛対策の1つです。妊娠初期の女性の場合では、胎動やつわり、出産に対する不安などが原因でなかなか寝付けず、睡眠時間が確保できないことも考えられます。

普段よりも長めの睡眠時間を確保すると、髪の毛の成長をサポートする結果につながります。ただし、睡眠時間を確保する目的での長めの昼寝は避けましょう。昼に寝すぎると夜間の睡眠の質を低下させる可能性もあるため注意が必要です。

頭皮・髪の毛のケアを怠らない

妊娠初期の抜け毛を予防するには、頭皮や髪の毛のケアを怠らないことも重要です。頭皮は皮脂の分泌量が多い箇所なため、フケや汚れなどと混じり毛穴を塞ぐと抜け毛リスクが増加します。

肌質に合ったシャンプーを利用して、指の腹で頭皮を優しくマッサージするイメージで洗い、洗髪後はドライヤーで十分に乾かしましょう。

妊娠初期に抜け毛が目立つようであれば、髪の毛を短くカットするのもおすすめです。短くカットすると髪の毛全体のボリュームを出しやすいだけでなく、毎日の手入れが楽というメリットもあります。

妊娠中はホルモンであるプロゲステロンの増加により髪の毛が増えることもある

妊娠中は女性ホルモンの一種であるプロゲステロンの増加により、髪の毛の量が増えることもあります。プロゲステロンにはヘアサイクルの成長期を保つ役割が期待されているため、妊娠中に髪の毛の量が増えたり、太く成長する人もいます。

成長期毛母細胞が活発に分裂して髪の毛が太く・長く成長する時期
退行期毛包の活動が低下して髪の毛の成長が鈍くなる時期
休止期髪の毛の成長が完全に停止し、毛穴から離れはじめる時期

プロゲステロンによりヘアサイクルの成長期が保たれると、髪の毛が太く・長く成長します。妊娠中に抜け毛が増えた気がする場合には、成長期にある髪の毛の本数が増えている可能性もあるため、抜け毛の量だけでなく髪全体のボリュームにも着目しましょう。

妊娠時の抜け毛に関する注意事項

妊娠時の抜け毛に関しては、以下の2点に注意する必要があります。

  • 妊娠初期の抜け毛対策で育毛剤を使用する場合は事前に医師に相談する
  • 出産後の抜け毛にも備えておく

2つの注意点について解説します。

妊娠初期の抜け毛対策で育毛剤を使用する場合は事前に医師に相談する

妊娠初期の抜け毛対策で育毛剤を使用する場合には、事前に医師に相談しましょう。育毛剤の多くは天然由来の成分から製造されているため、妊娠中でも利用できる場合が多いです。

しかし、妊娠中は通常よりも身体の反応が敏感なため、かかりつけの医師に相談してから育毛剤を利用しましょう。

例えば、「アロビックス外用液」には熱感があらわれる副作用のリスクがあります。妊婦が発熱した場合には、胎児にも何らかの影響をおよぼす可能性があるため注意が必要です。

参照元:アロビックス外用液5%

出産後の抜け毛にも備えておく

妊娠時に抜け毛が見られる場合には、出産後の抜け毛にも備えておくことがおすすめです。出産後に抜け毛量の増加が見られる場合には、分娩後脱毛症を発症している可能性が疑われます。

分娩後脱毛症は抜け毛の量や症状が続く期間には個人差があります。分娩後脱毛症のおもな原因も、出産後に起こるホルモンバランスの変化です。

妊娠中には盛んに分泌された女性ホルモンが、出産後に激減するため抜け毛リスクが増加します。ただし、分娩後脱毛症にともなう抜け毛は、出産後6ヶ月~1年ほどで落ち着いてくる傾向にあります。

出産後の抜け毛の可能性を知ることで、いざ抜け毛の量が増えても落ち着いて対処可能です。仮に出産後1年以上が経過しても抜け毛量に変化が見られない場合には、AGAクリニックに相談しましょう。

ホルモンバランスの乱れ以外に考えられる妊娠初期の抜け毛の原因

妊娠初期の抜け毛の中には、ホルモンバランスの乱れ以外が原因で起こる以下3つの脱毛症もあります。

  • FAGA
  • びまん性脱毛症
  • 牽引性脱毛症

3つの脱毛症の特徴について解説します。

FAGA

FAGAは英語の「Female Androgenetic Alopecia」の略語で、日本語にすると「女性男性型脱毛症」を意味します。更年期を迎えた女性の体内では女性ホルモンの分泌量が減少し、相対的に男性ホルモンの割合が増加するため抜け毛が起こりやすくなります。

FAGAの特徴は広範囲にわたり髪の毛が細くなり、ボリュームが減少する点です。男性のように頭頂部など局所がはげ上がることはほとんどありません。

FAGAに関しては男性ホルモンだけが原因ではない場合もあり、近年ではFPHL(Female Pattern Hair Loss)という言葉が世界的にも使われはじめています。

びまん性脱毛症

びまん性脱毛症も女性に見られる脱毛症の1つで、広範囲にわたり薄毛が広がる(瀰漫する)ことが特徴です。びまん性脱毛症の原因は過度なダイエットによる栄養不足やストレス、睡眠不足による自律神経の乱れ、誤ったヘアケアによる頭皮へのダメージなどさまざまです。

びまん性脱毛症は一般的に30代後半以降に発症する場合が多いとされますが、若い女性でも生活習慣が乱れていると発症リスクが増加するため注意が必要です。

牽引性脱毛症

牽引性脱毛症は特定の髪型を続けることで、抜け毛リスクを増加させる点が特徴です。特にポニーテールなど局所に牽引力がはたらく髪型を続けると、牽引性脱毛症の発症リスクを増加させます。

牽引という文字から髪の毛が引っ張られて抜けるようイメージされる方もいますが、実際には局所への血行不良による髪の毛の成長が妨げられ、抜け毛を引き起こしやすくなります。

初期の段階であれば髪型を変えたり、結ぶことをやめたりして改善が期待できますが、長期間のダメージで毛包に障害がおよんだ場合には、髪の毛が生えて来なくなる可能性もあるため注意が必要です。

妊娠初期の抜け毛についてよくある質問

妊娠初期の抜け毛に関しては、以下の3つの質問が多く寄せられています。

  • 生まれてくる子どもの性別により抜け毛の多さは変わりますか?
  • 妊娠中に抜け毛を感じた時はどの病院に行けばいいですか?
  • 妊娠中に髪の毛が抜けにくくなったりパサパサしたりすることはありますか?

3つの質問にお答えします。

生まれてくる子どもの性別により抜け毛の多さは変わりますか?

生まれてくる子どもの性別で抜け毛の多さが変わることはありません。胎児の性別を判断する際に「妊婦の体毛が濃くなったら男の子」「薄くなったら女の子」と言われることがありますが、医学的な根拠はありません

同様に生まれてくる子どもの性別により、抜け毛の量が変化することに関する報告もありません。

妊娠中に抜け毛を感じた時はどの病院に行けばいいですか?

妊娠中に抜け毛量が増えたと感じる場合には、産婦人科か薄毛治療クリニックに行きましょう。産婦人科では血液検査や超音波(エコー検査)、尿検査などで母体と赤ちゃんの健康状態を確認します。

抜け毛が気になる場合には、薄毛治療専門クリニックの受診がおすすめです。薄毛治療専門のクリニックでは、脱毛症や抜け毛に特化した医師による診察や検査を受けることができます。

つわりがひどい場合や小さい子どもがいる場合などは、オンライン診療を利用する方法もあります。ベアAGAクリニックでは初診からオンライン診療を受けることができるため、まずは無料カウンセリングで相談しましょう。

妊娠中に髪の毛が抜けにくくなったりパサパサしたりすることはありますか?

妊娠中に髪の毛が抜けにくくなったりパサパサしたりするなど、髪の毛の質が変化することもあります。妊娠中には基本的に女性ホルモンの分泌量が増加するためヘアサイクルの成長期が維持されて、太くて抜けにくい髪の毛が育ちやすくなります。

しかし、妊娠初期にホルモンバランスが乱れたり、栄養不足に陥ったりした場合には、髪の毛が乾燥してパサパサする可能性もあります。

妊娠初期の抜け毛に関するご相談はベアAGAクリニックへ

妊娠初期の抜け毛に関するご相談は、ベアAGAクリニックまでお問い合わせください。妊娠初期にはホルモンバランスや自律神経を乱しやすいため、多くの女性に抜け毛量の増加が見られます。

通常は妊娠中期を迎える頃までには抜け毛が治まり、髪の毛の量が増加に転じる傾向にあります。ただし、食習慣の乱れやストレス状態が続くと、抜け毛が治まらない可能性もあるため注意が必要です。

また、何らかの脱毛症により抜け毛が増えていることもあるため、妊娠中に抜け毛が増えたと感じたら、なるべく早めに専門医まで相談しましょう。

ベアAGAクリニックでは男性だけでなく、女性の薄毛の治療にも取り組んでいます。カウンセリングは無料で行うため、妊娠中の抜け毛が心配な方は、カウンセラーまでお気軽にご相談ください。

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

【経歴】東京医科大学卒業後、放射線科に入局し、放射線の専門医を取得。大手AGAクリニックで勤務医として約3年間診療現場で実践を重ね経験を積む。2020年2月、新宿三丁目駅の近くにベアAGAクリニック新宿院を開院。
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