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【医師監修】産後の抜け毛はいつまで続く?原因とすぐにできる対策

公開日:2022/10/31

更新日:2022/11/19

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【ベアAGAクリニック院長監修】産後の抜け毛はいつまで続く?原因とすぐにできる対策

産後の抜け毛(分娩後脱毛症)は、出産経験のある女性の半数以上が経験すると言われています。

一時的なものだと分かっていても、毎日大量に髪が抜け続けると不安は大きくなる一方です。「いつ治るのか」「このままはげてしまうのでは?」とお悩みのお母さんもいるでしょう。

そこで本記事では、産後の抜け毛の原因と対策をわかりやすくまとめました。すぐに始められるセルフケアもご紹介するので、抜け毛や薄毛でお悩みの方はぜひお読みください。

産後に抜け毛が増えるのはなぜ?3つの原因

気になる産後の抜け毛 イメージ画像

産後に抜け毛が増える原因として考えられるのは次の3つです。

  1. ホルモンバランスの変化
  2. 生活サイクルの乱れ
  3. 育児ストレス

それぞれの内容を詳しく解説します。

原因①ホルモンバランスの変化

女性ホルモン イメージ画像

産後に髪が抜けやすくなる理由の一つがホルモンバランスです。

妊娠から出産にかけて、女性の体内はホルモン量が大きく変化します。以下の表は、妊娠中および産後のホルモン量がどのように変化するかを示したものです。

女性ホルモンは大きく分けると①エストロゲン②プロゲステロンの2種類があり、このうち①エストロゲンは髪の成長に関わります。

妊娠中はエストロゲン濃度が非妊娠時の約100倍まで増えますが、分娩を終えると一気に低下します。その結果として、産後は髪が抜けやすくなると言われているのです。

原因②生活サイクルの乱れ

寝室 イメージ画像

産後は赤ちゃん中心の生活が始まり、今までと同じ時間に食事や睡眠を取るのが難しくなります。

夜間でも数時間おきに授乳が必要ですし、寝不足が続けば栄養バランスのいい食事を準備すること自体が大変です。中には、食べるよりも睡眠時間を確保したいと考えるお母さんもいるでしょう。

栄養不足は育毛の妨げとなりますし、睡眠の質が低下すれば髪は十分に成長できません赤ちゃんが生後間もないうちはお母さんの生活サイクルも乱れてしまい、抜け毛が増えやすくなってしまうのです。

原因③育児ストレス

育児ストレス イメージ画像

慣れない赤ちゃんとの生活でストレスを感じるお母さんは多いことと思います。

ストレスによる自律神経の乱れは交感神経を優位にさせ、全身の血管収縮につながります。

髪は血液が運搬する栄養や酸素を使って成長するので、血流が滞れば髪の成長にも悪影響を及ぼす可能性があります。

母乳育児は産後の抜け毛を悪化させる?

母乳育児 イメージ画像

産後の抜け毛に悩むお母さんから「母乳育児で髪が抜けるのか」というご質問をいただくことがあります。

結論から言いますと、母乳育児が必ずしも抜け毛の増加につながるわけではありません

産後の抜け毛は完全ミルク育児をしているお母さんにも生じます。反対に、母乳育児でも抜け毛は気にならなかったというお母さんもいます。

母乳育児でお母さんが栄養不足になりやすいのは事実ですが、母乳育児が産後の抜け毛に直結するという根拠はありません。

ホルモンバランスが大きく変化する以上、産後の抜け毛はどのお母さんにも起こりうるものです。いつまでも抜け毛が減らない、円形脱毛症になったなどの場合を除いては深刻に考えすぎないことをおすすめします。

産後の抜け毛はいつから始まる?ピークは?

気になる産後の抜け毛 イメージ画像

産後の抜け毛は産後2〜3ヶ月頃から始まり、早い方で6ヶ月、長くても1年頃には落ち着くと言われています。

ピークを迎えるまでは、ブラッシングやシャンプーによる抜け毛が気になることと思います。また6ヶ月を過ぎると最初に抜けた髪が伸びてくるため、前髪や頭頂部などに短い毛が目立ってくるかもしれません。

抜け毛が多いうちは髪が扱いにくいので、ヘアスタイルを工夫したり帽子をかぶるなどして上手にカバーしていきましょう。

産後の抜け毛を治したい…すぐできる3つの対策

気になる抜け毛 イメージ画像

産後の抜け毛予防として推奨されるセルフケアには次の方法があります。

  1. バランスのいい食事を心がける
  2. 睡眠環境を整える
  3. ヘアケア用品を変える

ここからは詳しい内容を解説していきます。

対策①バランスのいい食事を心がける

バランスの良い食事 イメージ画像

産後の抜け毛対策として、すぐに始められるのが食事内容の見直しです。

栄養バランスのいい食事が取れれば、それだけ髪の成長にもいい影響を与えます。育毛効果の高い栄養素にはタンパク質や亜鉛、ビタミンなどがあります。

赤ちゃんとの生活は、お母さんの食事はつい後回しになりがちです。母乳育児はとくにお母さんが栄養不足に陥りやすく、結果として赤ちゃんの栄養不足にもつながるおそれがあります。
3食しっかり食べるのは難しいかと思いますが、可能な範囲で栄養たっぷりの食事を心がけましょう。難しい場合はサプリメントの活用もおすすめです。

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対策②睡眠環境を整える

寝室 イメージ画像

身体の内側から抜け毛対策をするなら、睡眠環境を改善することも大切です。

夜間授乳などでまとまった睡眠時間を確保するのが難しい時は、1回の睡眠の質を高めるための工夫をしましょう。肌触りのいい寝具や間接照明、アロマの香りはリラックス効果が期待できます。

赤ちゃんのお世話はもちろん大切ですが、無理をするとお母さんの身体に負担がかかります。睡眠環境を整えることで、抜け毛対策とお母さんの休息を両立させてください。

対策③ヘアケア用品を変える

ヘアケア用品 イメージ画像

産後の抜け毛が改善しない時は、シャンプーやトリートメントなど身近なヘアケア用品を変えてみるのもいいでしょう。

低刺激のシャンプーは髪や頭皮への負担を軽減できるので、抜け毛や頭皮状態の改善につながる場合があります。(医薬部外品、または化粧品に該当する商品に発毛効果はありません)

増え続ける抜け毛を見過ごせない方は、頭皮環境を整えるためのヘアケアを始めてみることをおすすめします。

産後の抜け毛は病院にかかるべき?心配なら医療機関に相談を

病院の受付 イメージ画像

産後の抜け毛は時間の経過とともに落ち着きますが、不安があれば医療機関を受診してください。

産後に抜け毛が増える原因にはホルモンバランスや生活習慣、ストレスが考えられます。しかし産後という状況を抜きにして考えると、抜け毛が増える原因は他にもあります。

適切に対処するには、まず抜け毛の原因を特定することが大切です。産後の抜け毛については、産婦人科や薄毛治療のクリニックなどが相談先となります。

抜け毛で強いストレスを感じるようであれば、一人で悩まずに医師へ相談しましょう。

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産後の抜け毛に関するよくあるご質問

よくある質問 イメージ画像

産後の抜け毛について、患者様から多く寄せられるご質問と回答をまとめました。

産後の抜け毛が1年以上続いています。病院で治療は受けられますか?

受けられます。

通常、産後の抜け毛は産後1年頃までに落ち着くと言われています。抜け毛の量が明らかに多い場合は別の理由が考えられるため、早めに医療機関を受診した方がいいでしょう。

産後の抜け毛対策として適切なシャンプーの頻度は1日何回ですか?

洗髪の頻度は1日1回を基本とします。

可能な限り洗髪は夜のうちに済ませ、頭皮の汚れを翌日に持ち越さないように心がけましょう。

ただし、乾燥肌や敏感肌の方はこの限りではありません。2日に1回の方が肌質に合っているのであればそれでも問題ないでしょう。

生理が再開すると抜け毛が落ち着くと聞きましたが本当ですか?

月経の再開で抜け毛が落ち着く場合があります。

授乳中のお母さんの体内では、プロラクチンと呼ばれる乳汁分泌ホルモンが分泌されます。プロラクチンは髪の成長に関わるエストロゲンの分泌を抑え、排卵を抑制するホルモンです。

プロラクチンの分泌は時間とともに低下し、産後半年から1年ほどで月経が再開します。プロラクチンが減り、エストロゲンが増えることで抜け毛も減っていくと考えられるでしょう。

産後1ヶ月で抜け毛が急増しました。別の原因が考えられますか?

産後の抜け毛は早ければ産後1ヶ月頃から始まるため、それ自体に大きな問題はありません。

妊娠から出産にかけての間、女性の体内ではさまざまな変化が起こります。慣れない育児でストレスを感じ、抜け毛が増えることもあるでしょう。

抜け毛以外にも体調に不安な点があれば、医療機関に相談してみることをおすすめします。

産後の抜け毛をカバーする髪型はありますか?

産後の抜け毛によって前髪が薄くなったと感じる場合、思い切ってオールバックにしてみるのはいかがでしょうか。

アレンジ自体は簡単ですし、ヘアバンドやカチューシャをつければおしゃれも楽しめます。伸びるまでは短い毛をヘアスプレーで固めるのもいいかもしれません。

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産後の抜け毛対策には正しい理解と適切なケアが必要です

育児 イメージ画像

出産経験のある女性の半数以上が経験すると言われる産後の抜け毛。

いつか終わるとわかっていても、日々増え続ける抜け毛に不安を感じる方は多いでしょう。産後の抜け毛は半年から1年ほどで落ち着くのが一般的ですが、改善が見られなければ医療機関に相談してください。

できることから頑張りたい方は、食事や睡眠環境の見直しから始めてみましょう。ヘアケアをするなら、育毛シャンプーや育毛剤を活用するのがおすすめです。

赤ちゃんとの生活は慌ただしく過ぎていきますが、お母さん自身の身体を休めることも忘れないでください。当院では女性の薄毛治療を行っているので、なかなかおさまらない抜け毛についてのご相談もお待ちしております。

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

【経歴】東京医科大学卒業後、放射線科に入局し、放射線の専門医を取得。大手AGAクリニックで勤務医として約3年間診療現場で実践を重ね経験を積む。2020年2月、新宿三丁目駅の近くにベアAGAクリニック新宿院を開院。
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