COLUMN AGA治療の効果・期間

初期脱毛の症状は放っておいてもよいのですか?AGA治療の気になる症状。

公開日:2022/09/19

更新日:2022/10/07

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AGAの発毛治療を始めると、気になる症状のひとつである初期脱毛。

せっかく費用をかけて育毛治療を始めたのに、まさかの逆効果……!? 思わず、ドキッとしてしまうところでしょう。

今回はこの、気になる初期脱毛という症状について、どう対処すべきか医師の立場からお伝えします。

初期脱毛とは

AGA治療でヘアサイクルが正常に戻る

AGA治療の初期段階における抜け毛について説明するため、まずは人間の髪の毛が持つサイクルについて説明しましょう。

髪の毛は、

伸びる(成長期)→

止まる(退行期)→

抜ける(休止期)→

また伸びる(成長期)

というサイクル(ヘアサイクル)を繰り返して何度も生え変わります。

しかしAGAになると、この髪の毛が伸びる成長期が短くなるために、頭皮から生える毛が細く短くなっていくのです。

AGA治療は、発毛剤によってこの成長期をコントロールし維持する治療を行い、ヘアサイクルを正常に戻す治療方法です。

治療により、髪の毛の新しい成長期が始まるのです。

初期脱毛の原因は「成長期」の毛が生えるせい

では、髪の毛を生やすための治療で、なぜ初期脱毛が発生するのでしょうか?

その理由は、新しい毛が生えるために毛穴から古い髪の毛が抜けていくことです。

フィナステリドやミノキシジルといった種類の薬を使用して発毛治療を開始すると、薬の成分でヘアサイクルの乱れが正常に戻り、新しい成長期が始まります。

そうすると、休止期の毛髪(成長を終えた抜ける予定の毛髪)が新しい成長期の毛髪により押し出され、抜けていく状態が起こるのです。

これが、初期脱毛のメカニズムです。言ってみれば初期脱毛は、育毛効果が発揮されている第一段階の証拠であり、毛が抜けるからといって不安になる必要はありません。

薬の量が多すぎるわけではないので、安心してください。

初期脱毛が生じるのは2週間から1カ月程度が通常

初期脱毛の仕組みが理解できたところで、気になるのは、どれほどの期間、脱毛が続くのかでしょう。

通常初期脱毛は、治療開始より2週間から1カ月程度続きます。長い方では3か月の方もいらっしゃいます。

シャワー等のときに気づかれる方が多く、太い毛も抜けるのでびっくりされる方が多いです。

そんなときはかかりつけのクリニック等に相談すれば、初期脱毛は問題ない症状であると教えてくれるはずです。

なお、髪の長い方ほど初期脱毛の症状に気づきやすく、初期脱毛の期間を長く感じやすいです。

女性の患者さんの場合、特に初期脱毛が気になるかもしれません。

なかには初期脱毛の症状が出ない方もいらっしゃいますが、初期脱毛の有無は単なる個人差で、治療成績とは関係ありません。

初期脱毛が出たらどうしたら良い?

では、初期脱毛に対して患者ができる対策はあるのでしょうか?

結論からいえば、初期脱毛は基本的には気にせずに治療を続けていただいて結構です。

治療を続ければ、抜けたところから新しい毛髪が生えてくるので、初期脱毛に驚いて治療をやめてしまわないようにしましょう。初期脱毛が出てもしっかりと治療を続けてください。

ただし、あまりにも脱毛期間が長い等の場合は別の疾患の可能性も否定はできませんので主治医に確認してください。

SNSなどの情報は一方的に育毛剤や発毛剤を否定する無責任な発信もあるので、必ず専門クリニックの医師に話を聞きましょう。

髪に良くない生活習慣は見直しを

治療の効果が出ている証である初期脱毛とはいえ、驚きついでに生活習慣を見直してみるのもおすすめです。

髪に良くない生活習慣とは、寝不足や不規則な食事、過度のストレスを伴う生活などです。

せっかく健康な髪の毛が生えてきても、生活習慣が非常に悪い場合は、生えてきた髪の毛がうまく育ってくれない危険性もあります。

さらに、飲酒や喫煙は髪の毛の大敵です。

アルコールはDHTというAGAの原因不足を増大させる可能性があるうえに、飲み過ぎは髪の毛のもととなる栄養素を体から奪ってしまいます。

喫煙については飲酒と同様に体の栄養素を破壊するうえに、血管を収縮させて発毛を妨げてしまうのです。

私のクリニックは新宿という立地上、近隣の歌舞伎町で働く人々もよく診療に訪れますが、不規則な生活習慣のせいでAGAが進行したのではないかと疑われる事例がしばしば見られます。

初期脱毛は発毛の準備期間

AGA治療で起こる初期脱毛について、解説しました。

初期脱毛はいわば、頭皮から正常な髪の毛が生えてくるサイクルを体が取り戻すための準備期間。

びっくりするかもしれませんが、安心して治療を続けてください。

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

【経歴】東京医科大学卒業後、放射線科に入局し、放射線の専門医を取得。大手AGAクリニックで勤務医として約3年間診療現場で実践を重ね経験を積む。2020年2月、新宿三丁目駅の近くにベアAGAクリニック新宿院を開院。
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