COLUMN AGA治療の種類

デュタステリドによる初期脱毛の期間や仕組みを解説

公開日:2022/09/19

更新日:2022/12/05

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デュタステリド(ザガーロ)はAGA(男性型脱毛症)の治療薬です。元々は前立腺肥大症患者向けの治療薬として開発されましたが、AGAの改善効果が見込まれたことからAGA治療にも用いられています。

個人差はありますが、デュタステリドは服用を開始してから約1〜3ヶ月の間は初期脱毛がみられます。デュタステリドによる初期脱毛はなぜ起こるのか、その仕組みや発症期間を解説していきます。

デュタステリドの作用

初期脱毛の期間や仕組み

デュタステリドはAGAの原因となる「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生産量を低下させ、薄毛の進行を抑制するはたらきを持ちます。

DHTは酵素の「5αリダクターゼ I型」と「II型」の影響を受けて生成されるため、デュタステリドはこの酵素の生成を阻害することでAGA抑制に効果を発揮します。 フィナステリドもデュタステリドと同じくAGA治療薬として用いられていますが、作用する範囲は「5αリダクターゼ II型」のみです。効果はデュタステリドに比べると緩やかです。

デュタステリドの効果

デュタステリドのAGAに対する効果は、日本皮膚科学会が発行する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」にデータと共に記載されています。

デュタステリド0.5mg/日とフィナステリド1mg/日を用いた、917名の男性被験者を対象とした観察期間6カ月のランダム化比較試験では、デュタステリドのほうが全毛髪数と毛直径の増加について優れた効果を示しました。頭頂部および全道部の写真評価においてもデュタステリドのほうが優れた結果となりました。

また、デュタステリド0.5mg/日を用いた120名の男性被験者を対象とした観察期間52週間の非ランダム化比較試験において、52週に非軟毛数・硬毛数・非軟毛直径が増加し、皮膚科医による頭頂部の写真評価では26週と52週にいずれも毛量が増加しました。

デュタステリドの副作用が発生する確率は低い

個人差はあるものの、デュタステリドの副作用が発生する確率は低いです。副作用が全くない治療法は存在しませんが、発症の確率は低いため過剰に不安視する必要はないです。

しかし、万が一トラブルが起きた場合も適切な処置が受けられるように、AGA治療はAGAクリニックで受けることがおすすめです。

デュタステリドの服用で起こる初期脱毛の特徴

次に、デュタステリドによる初期脱毛の特徴について詳しく解説します。

  • 初期脱毛とは
  • 初期脱毛の仕組み
  • 初期脱毛の目安期間
  • 初期脱毛がない場合もある

初期脱毛とは

AGAを引き起こす原因

初期脱毛とは薬を服用後、一時的に薄毛が悪化する脱毛症状のことです。 そもそも薄毛はヘアサイクルが乱れることで髪の毛の成長期が短くなることで発症すると考えられています。

そこで、デュタステリドによって乱れたヘアサイクルを正常に戻す際に、すでに生えていた髪の毛が抜けてしまう初期脱毛が起こる場合があります。 初期脱毛はAGA治療薬の効果が表れ始めている傾向のため、決してAGAの急激な進行ではありません

初期脱毛の仕組み

デュタステリドによる初期脱毛は乱れたヘアサイクルを整える過程で発症します。正常なヘアサイクルは成長期→退行期→休止期のサイクルを繰り返します。しかし、成長期が短縮すると、髪の毛が育たないまま退行期へと移行するため薄毛が進行します。

デュタステリドはこの乱れたヘアサイクルを正常に戻す過程で、新しい成長期が始まることで一時的に髪の毛が抜け落ちます。休止期の毛髪が新しい成長期の毛髪に押し出されて抜けることにより初期脱毛が起こります。

初期脱毛の目安期間|いつからいつまで

ヘアサイクルは人によって若干違うため、初期脱毛の期間にも個人差があります。デュタステリドによる初期脱毛は服用を開始してから約10日〜2か月後にみられる方が多く、それから3ヶ月ほど続くのが一般的であると言われています。

初期脱毛はAGA治療が順調に進んでいる証拠です。初期脱毛が起きてもデュタステリドの服用をやめず、効果が表れ始める6ヶ月は治療を続けましょう。

初期脱毛がない場合もある

デュタステリドを服用した方のなかには初期脱毛の症状が出ない方もいますが、AGA治療としての効果がないと心配する必要はありません。初期脱毛の症状を自覚せずにAGA治療を終える方もいます。

初期脱毛の有無には個人差があり、AGA治療の結果とは相関がないため安心してください。 

初期脱毛以外のデュタステリドの副作用

デュタステリドは初期脱毛以外にも副作用が起こる場合があります。

  • 勃起不全・制欲減退
  • 乳房障害
  • 肝機能障害
  • うつ症状

勃起不全・制欲減退

デュタステリドは男性ホルモンにアプローチするはたらきを持つため、男性機能低下のリスクがあります。 デュタステリド0.5mg/日を用いた、120名の男性被験者を対象とした観察期間52週間の非ランダム化比較試における有害事象頻度は以下の通りです。

副作用発現率
リビドー減少3.3%
インポテンツ5.4%
射精障害3.3%

※出典:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

乳房障害

デュタステリドの副作用として女性化乳房、乳房肥大も挙げられます。 男性の体内にも一定の女性ホルモンが存在しますが、薬のはたらきによりホルモンバランスが乱れると、女性のように胸が大きくなる症状が表れる可能性があります。しかし、いずれも発症頻度は高くありません。

肝機能障害

デュタステリドの副作用として肝機能障害も報告されています。デュタステリドの成分により肝機能が低下すると、体が黄色になる症状がみられる場合があります。

デュタステリドによる肝機能障害は極めて稀ではありますが、発症率はゼロではありません。服用にあたり定期的な血液検査を受け、肝機能の数値を確認しておきましょう。

うつ症状

デュタステリドの服用によるDHT値の低下が原因で、気力の低下やうつ症状を発症するケースがあります。発症するリスクは非常に稀で、AGA治療薬の効果はリスクを上回ると考えられています。

ただ、絶対ではないため専門知識のある医師のもとで治療を受けることが望ましいでしょう。

デュタステリドによる初期脱毛期間が長い場合の対処法

初期脱毛は誰にでも起こりうる症状のため、過度に心配する必要はありません。しかし、3ヶ月以上経過しても脱毛期間が続く場合は担当医へ相談しましょう。

ベアAGAクリニックでも無料カウンセリングを実施しています。AGAを自力で治そう・対処しようとせず、どんな些細な悩みでも構いませんので、初期脱毛が気になる方はいつでもご相談ください。

デュタステリドの初期脱毛に関するよくある質問

最後にデュタステリドの初期脱毛に関するよくある質問にお答えします。

  • 2回目の初期脱毛が起こることはある?
  • 初期脱毛ではどれくらいの量の髪の毛が抜ける?

2回目の初期脱毛が起こることはある?

デュタステリドを服用した方のなかには、2回目の初期脱毛が起こる方もいます。 「初期脱毛には2回目がある?薄毛治療中に感じた抜け毛の変化を調査」によると、20代以上で薄毛の治療経験がある男性53名のうち「2回目の初期脱毛があった」と回答した人は13名(24.5%)でした。

つまり、薄毛の治療を受けた方のうち2割以上が2回目の初期脱毛を経験しています。

初期脱毛ではどれくらいの量の髪の毛が抜ける?

初期脱毛で抜ける髪の毛の本数には個人差があります。デュタステリドの初期脱毛の目安本数は、約200〜300本と言われており、多い方で500本ほど抜ける場合もあります。

数字だけみると不安に感じるかもしれませんが、初期脱毛は正常なヘアサイクルに戻すための過程ですので安心してください。

デュタステリドの初期脱毛についてのご相談はベアAGAクリニックへ

デュタステリドはAGAに効果が期待できる治療薬です。その効果はデータとともに「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」でも証明されています。ただ、デュタステリドは服用を開始してから10日〜3ヶ月の間は初期脱毛が起こるため注意が必要です。

一時的な薄毛の悪化はAGA治療が順調に進んでいる証拠です。過度に心配する必要はありませんが、初期脱毛に不安を感じる方やデュタステリドの治療について詳しく話を聞きたい方は、まずは気軽にベアAGAクリニックの無料カウンセリングへお越しください。AGAが手遅れな状態になる前に早期での治療をおすすめします。

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3.やめどきに関するトピック
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ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

【経歴】東京医科大学卒業後、放射線科に入局し、放射線の専門医を取得。大手AGAクリニックで勤務医として約3年間診療現場で実践を重ね経験を積む。2020年2月、新宿三丁目駅の近くにベアAGAクリニック新宿院を開院。
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