COLUMN FAGAの基礎知識

女性の抜け毛とストレスの関係性について解説|女性に多い脱毛症の原因も紹介

公開日:2022/12/07

更新日:2023/03/16

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「最近お風呂の排水溝に詰まる髪の毛が増えている」「ドライヤーをかけた後に大量の髪の毛が床に抜け落ちている」

抜け毛に関する悩みを抱えている女性も多いかと思います。女性の抜け毛にはさまざまな原因があり、ストレスも深く関わっています

本記事ではストレスと女性の抜け毛との関係や、自分でできる対策方法について解説します。抜け毛にお悩みの女性は参考にしてみてください。

※本記事は日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」を参考に作成しています。

ストレスによって起こり得る女性の抜け毛の仕組み

ストレスによる女性の抜け毛は、次のような仕組みで起こります。

  • ストレスが原因で髪の毛の成長に欠かせない女性ホルモンの分泌が減少する
  • ストレスにより自律神経が乱れ血流の悪化や睡眠不足が起こり抜け毛が増える

次に女性の抜け毛の仕組みについて解説します。

ストレスが原因で髪の毛の成長に欠かせない女性ホルモンの分泌が減少する

ストレスで女性ホルモンの分泌量が減少し、女性の抜け毛が増えることがあります。

女性のホルモンバランスは非常にデリケートなため、卵巣機能は正常でも何らかのストレスにより脳からの指令に異常が生じた場合、ホルモンの分泌が乱れやすくなります

女性の艶やかで美しい髪の毛を作るホルモンがエストロゲンと言い、ホルモンバランスの乱れによりエストロゲンの分泌量が減少すると、髪の毛が成長する期間(ヘアサイクルの成長期)が短くなり、結果として抜け毛のリスクが増加します。

更年期や産後に抜け毛が起こりやすいのもエストロゲンの分泌量が減少するためです。

ストレスにより自律神経が乱れることで血流の悪化・睡眠不足が起こり抜け毛が増える

ストレスにより自律神経が乱れて血流の悪化や睡眠不足が起こると、女性の抜け毛が増えやすくなります。

自律神経のバランスが崩れると交感神経が優位に傾き、血管が収縮して血流の悪化を招くだけでなく睡眠の質が低下します。

男性に比べ、女性の方が冷え性や不眠に悩まされる傾向にあることも自律神経の乱れが関係すると考えられています。

自律神経の乱れによる血行不良や質の低い睡眠は、ヘアサイクルに悪影響をおよぼすため抜け毛のリスクが増加する原因になります。

ストレスが抜け毛の直接的な原因ではありませんが、ストレスにより心身の健康状態が悪化すると、結果として抜け毛のリスクが増加します。

ストレスで抜け毛を起こしやすい女性の特徴

ストレスで抜け毛を起こしやすい女性の特徴をシーン別に紹介します。

特に女性は月経や更年期に見られるホルモンバランスの乱れに加え、結婚や出産といったライフイベントにともなう環境の変化により、男性に比べてストレスを感じやすいとされています。

家庭内でストレスを感じやすい女性の特徴

  • 家事や育児に追われて時間の余裕がない
  • 段取りよく物事が進まないと落ち着かない
  • 不平や不満があっても我慢して抱え込みやすい
  • 自分のことを後回しにする

仕事でストレスを感じやすい女性の特徴

  • 些細なことが気になりイライラしやすい
  • 同僚やライバルに負けたくない気持ちが強い
  • 完璧主義で自分や他人のミスが許せない
  • 感じたことを素直に口に出せない
  • 自己犠牲の意識や被害妄想が強い
  • 頼まれるとイヤと言えない

女性の抜け毛を防ぐためのストレス対策方法

女性の抜け毛を防ぐ場合、以下7つのストレス対策方法を試してみることがおすすめです。

  • 好きなものを食べる
  • 感動的な映画やドラマを見て涙を流す
  • お笑い番組や気の合う友人との会話で大笑いする
  • ウォーキングやハイキングなどで身体を動かす
  • カラオケで大きな声を出す
  • アロマテラピーや入浴でリラックスして寝る
  • 時間を忘れて趣味に没頭する

ストレスを発散する方法はさまざまですが、なかでも五感にはたらきかけるストレス対策方法が効果的とされています。上記のような方法で五感にはたらきかけると、自律神経のバランスが整えられ、質のよい睡眠を得る効果が期待できます。

抜け毛の原因を調べるためにAGAクリニックでの検査がおすすめ

女性の抜け毛の原因を調べる場合、AGAクリニックでの検査がおすすめです。AGAクリニックでは血液検査やマイクロスコープで抜け毛の原因を把握できます

AGAクリニックにて血液検査を行うことにより、抜け毛の原因がFAGA(女性型脱毛症)の発症によるものか判断できます。投薬治療を行える身体の状態か確認するためにも、事前の血液検査は欠かせません。

また、抜け毛が増えている女性には頭皮環境の悪化が見られるため、マイクロスコープで詳しく検査する必要があります。診察にて抜け毛にホルモンが関与しているかどうかも判断可能です。

ストレス以外の女性の抜け毛の原因

ストレス以外にも女性の抜け毛は次の4つのような原因で起こると考えられています。

  • 不規則な食生活や睡眠不足など生活習慣の乱れ
  • 頭皮の血流不全による頭皮を巡る血液量の減少
  • 誤った洗髪方法・ケアによる頭皮への直接的なダメージ
  • 鉄不足によって髪の毛の成長に必要な酸素やエネルギーが不足

4つの原因について解説します。

不規則な食生活や睡眠不足など生活習慣の乱れ

女性の抜け毛は、不規則な食生活や睡眠不足などの生活習慣の乱れにより引き起こされると考えられています。健康な髪の毛が育つためには良質のタンパク質や亜鉛、頭皮環境を良好に保つためのビタミンやミネラルの摂取が欠かせません。

睡眠不足も髪の毛の成長に悪影響をおよぼす原因の1つです。いずれも直接的な抜け毛の原因ではありませんが、不規則な食生活や睡眠不足でヘアサイクルの周期が乱されると、抜け毛のリスクが増加すると考えられます。

頭皮の血流不全による頭皮を巡る血液量の減少

頭皮の血流不全による頭皮を巡る血液量の減少も、ストレス以外で女性の抜け毛が増える原因の1つです。血液は酸素と栄養を頭皮に送り届けており、血流不全に陥ると頭皮の栄養状態が悪化し、健康な髪の毛の成長が妨げられます。

頭皮は毛細血管が張り巡らされており血流不全を起こしやすい場所のため、冷え性や自律神経のバランスが乱れやすい女性は特に頭皮を巡る血液量が減少しないよう注意が必要です。

誤った洗髪方法やケアによる頭皮への直接的なダメージ

誤った洗髪方法やケアによる頭皮への直接的なダメージも、女性の抜け毛のリスクが増加する要因です。肌質に合っていないシャンプー、指先や爪をたてた髪の洗い方、頻繁なパーマやヘアカラーなどにより頭皮にダメージが加わると、抜け毛のリスクが高くなります。

ドライヤーの熱風や紫外線による頭皮へのダメージや乾燥にともなう頭皮環境の悪化も、ストレス以外に抜け毛を引き起こす原因と考えられています。

鉄不足によって髪の成長に必要な酸素やエネルギーが不足してしまう

鉄不足によって髪の成長に必要な酸素やエネルギーが不足することも、ストレス以外の抜け毛を引き起こす原因の1つです。

鉄と女性の抜け毛との関係については「Korean Academy of Medical Sciences」に以下の3点が掲載されています。

  • FAGA(女性型脱毛症)の発症者には血清フェリチン濃度の有意な低下が見られる
  • 重度の脱毛と血清フェリチン濃度に有意な関係がある
  • 閉経前にフェリチンが少なくなると脱毛の可能性を増加させる

参照元:National Library of Medicine

フェリチンは体内に鉄を貯蔵するためのタンパク質の一種であり、フェリチン濃度が低い女性の場合、抜け毛のリスクを増加することが上記の研究でわかっています。

特に40代閉経前には過多月経が原因で多くの血液が失われ、フェリチン濃度が低くなる傾向にあります。更年期の女性に薄毛が多く見られるのも月経過多によるものです。

ストレス以外の女性の抜け毛を防ぐための対策方法

ストレス以外の女性の抜け毛を防ぐために、次の3つの対策がおすすめです。

  • 十分な睡眠や食事をとり髪の毛が正常に成長できる身体を作る
  • ヘッドスパで頭のこりをほぐし頭皮の血行不良を改善する
  • 症状が出始めたら早めに皮膚科やAGAクリニックに相談する

3つの対策方法について解説します。

十分な睡眠や食事をとり髪の毛が正常に成長できる身体を作る

ストレス以外の女性の抜け毛を防ぐためには、十分な睡眠や食事をとり髪の毛が正常に成長できる身体を作る必要があります。髪の毛は夜間に毛母細胞が分裂して成長するため、十分な睡眠が欠かせません。

髪の毛はタンパク質の一種のケラチンで作られており、日常の食事に良質のタンパク源を取り入れる必要があります。頭皮への血行を促進し皮脂の分泌量をコントロールするには、ビタミンB群や亜鉛などのミネラルを摂取するようにしましょう。

ヘッドスパで頭のこりをほぐし頭皮の血行不良を改善する

ストレス以外の抜け毛を防ぐ場合は、ヘッドスパなどで頭のこりをほぐし、頭皮の血行不良を改善する方法があります。ヘッドスパではセラピストが頭皮の状態を確認し、専用のシャンプーやトリートメントを用いて頭皮をマッサージしながら髪の毛を洗浄してくれます。

マッサージで血液の循環を促進することにより、頭皮環境を改善する効果が期待できます。しかしヘッドスパの施術はリラクゼーション色が強い傾向も忘れてはいけません。

薄毛や抜け毛の改善ではなく、頭皮環境の改善や抜け毛予防目的で利用するのがおすすめです。

症状が出始めたら早めに皮膚科やAGAクリニックに相談する

ストレス以外の女性の抜け毛を防ぐ場合は、症状が出始めたら手遅れな状態になる前に早めに皮膚科やAGAクリニックに相談するようにしましょう。

女性の抜け毛は1つの原因で起こるというより、多くの要因が複雑に絡み合って発症します。

頭皮に炎症を起こしている場合は皮膚科を、抜け毛をともなう場合は薄毛治療を専門としているAGAクリニックへ相談するのがおすすめです。

ストレスによる抜け毛は市販のサプリや育毛剤で症状が改善するわけではない

ストレスによる抜け毛は市販のサプリや育毛剤で改善することは難しいでしょう。育毛剤の目的は今生えている髪の毛を育むことです。

実際に育毛剤のパッケージには、血行促進や毛根にはたらきかけるなどの説明は見られますが、「髪の毛を増やす」「抜け毛を止める」と言った文言は見られません。

サプリメントはあくまでも栄養補助食品であるため、通常の食事メニューを見直さない限り大きな効果は期待できないでしょう。

ストレスによる抜け毛を改善する場合は、サプリや育毛剤を利用するのではなく、AGAクリニックを受診し医師の指示のもとで治療を行うことが重要です。

ストレスによる抜け毛が原因とされる女性でも発症しやすい脱毛症の例

ストレスによる抜け毛が原因とされる女性でも発症しやすい脱毛症があります。主な脱毛症は次の3通りです。

  • 円形脱毛症
  • びまん性脱毛症
  • 分娩後脱毛症

3つの脱毛症の原因や特徴について解説します。

円形脱毛症

円形脱毛症は年齢や性別を問わず誰でも発症する可能性があります。発症すると一定の範囲で髪の毛が根こそぎ抜け落ちます。ストレスによる抜け毛の場合は、まとまった量の髪の毛がいきなり抜け落ちることはありません。

脱毛斑(抜け落ちた跡)が10円玉程度の大きさの場合もあれば、頭部全体に抜け毛が起こる場合もあります。しかし、円形脱毛症の原因に関してはハッキリとしたことがわかっていません。

かつてはストレスが円形脱毛症の原因と考えられていましたが、その後の研究で精神疾患と円形脱毛症との間に有意な因果関係がないと判明しました。現在、円形脱毛症は自己免疫疾患の一種と考えられており、局所免疫療法が症状の改善に有効です。

参照元:日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017年版

びまん性脱毛症

びまん性脱毛症は女性に多く見られるFAGA(女性型脱毛症)の1つです。びまん性脱毛症を発症すると髪の毛全体のボリュームが減少し、分け目部分が目立つのが特徴です。男性に見られるAGAのように頭頂部や前頭部がはげてしまう例はほとんどありません。

びまん性脱毛症の主な原因はホルモンバランスの変化ですが、それ以外にも過度のダイエットにともなう栄養不足やストレス、食習慣の乱れ、ヘアカラーやパーマによる頭皮へのダメージ、加齢などさまざまな原因が複雑に絡み合い、びまん性脱毛症を発症すると考えられています。

分娩後脱毛症

分娩後脱毛症は出産後にみられる脱毛症の1つです。産後のホルモンバランスの急激な変化が原因で起こりますが、育児にともなう疲労や睡眠不足などで抜け毛のリスクが高まる場合もあります。

分娩後脱毛症は産後2ヶ月ごろからはじまり、半年ほどでピークを迎えるのが一般的です。通常は産後1年を過ぎる頃に症状が落ち着き始めます。

産後1年を経過しても抜け毛の量が減らない場合は、ほかの原因も考えられるため専門のクリニックで検査してもらいましょう。

ストレスによる女性の抜け毛のご相談はベアAGAクリニックへ

ストレスによる女性の抜け毛はベアAGAクリニックまでご相談ください。女性の抜け毛はさまざまな原因で起こるため、まずは原因を突き止める必要があります。

抜け毛をともなう皮膚疾患を発症した場合は、薄毛治療を専門とする医師に詳しく調べてもらいましょう。

ベアAGAクリニックではAGA(男性型脱毛症)だけでなく、FAGA(女性型脱毛症)をはじめとする女性の薄毛治療も行っています。

また、ベアAGAクリニックでは無料カウンセリングも行っており、他人には相談しづらい抜け毛や薄毛のお悩みも専門のカウンセラーが親身になって伺います。

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ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

【経歴】東京医科大学卒業後、放射線科に入局し、放射線の専門医を取得。大手AGAクリニックで勤務医として約3年間診療現場で実践を重ね経験を積む。2020年2月、新宿三丁目駅の近くにベアAGAクリニック新宿院を開院。
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