COLUMN AGA治療の種類

プロペシア(フィナステリド)だけで十分な薄毛対策は可能?効果を実感するまでの期間も紹介

公開日:2022/09/19

更新日:2022/12/05

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AGAは男性ホルモンの異常から発症する脱毛症で、放置すると薄毛が悪化します。しかし、個々に合った治療薬を選ぶことで、薄毛の改善が期待できます。

代表的な治療薬のひとつであるプロペシアに代表される「フィナステリド」は、アメリカの食品医薬品局「FDA」にも認可されており、世界中で利用されています。

プロペシア(フィナステリド)の効果や、効果が実感できるまでの期間、使用方法などについて詳しく紹介していきます。

AGA治療におけるプロペシア(フィナステリド)の効果

AGAは、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、酵素の「5αリダクターゼ」によって変換されて生まれる「DHT(ジヒドロテストステロン)」の発生がきっかけで発症します。

「5-αリダクターゼ」の出す信号により、DHTが過剰に産生されると、髪の毛にある毛乳頭細胞のはたらきを減退させます。そして、髪の毛は成長期から退行期へと移行し、髪の毛のヘアサイクルが短縮され、薄毛は進行します。

では、プロペシア(フィナステリド)はAGAに対してどのような効果が期待できるのでしょうか。

プロペシア(フィナステリド)の服用だけで十分な薄毛対策は難しい

薄毛対策

AGA治療において、プロペシア(フィナステリド)の服用のみでの薄毛対策は難しいとされています。 プロペシア(フィナステリド)には、前述した「5-αリダクターゼ」のはたらきを阻害する効果があります。

このはたらきにより、「テストステロン」が「DHT」に変換されることを防ぎ、ヘアサイクルを正常化して薄毛の進行を抑えます。

ただし、プロペシア(フィナステリド)の効果は薄毛の進行を防ぐことにとどまるため、プロペシア(フィナステリド)の服用だけでは十分な薄毛対策は難しいです。

同じくAGA治療薬として用いられるミノキシジルには、ヘアサイクルの成長期を延長させたり、休止期を短縮させたりするはたらきがあることから、発毛を促進する効果があります。

そのため、現在は多くのクリニックで、“薄毛の進行を防ぐ”プロペシア(フィナステリド)と“発毛を促す”ミノキシジルを併用する治療法が導入されています。

日本皮膚科学会はAGA治療でのフィナステリド(プロペシア)の服用を推奨している

フィナステリドは日本皮膚科学会でも推奨されている治療薬であり、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」では、「男性型脱毛症に対する発毛効果に関して、高い水準の根拠があるので、内服療法を行うよう強く勧める」との記載があります。

上記ガイドラインより、日本皮膚科学会が実施したフィナステリド(1mg/日)を用いた414 名の「日本人」男性被験者を対象とした観察結果は以下の通りです。

1年(48週間)58%が軽度以上の改善効果を得た
2年68%が軽度以上の改善効果を得た
3年78%が軽度以上の改善効果を得た

臨床試験の結果からも分かるように、フィナステリドはAGA改善の効果が立証されています。 ただし、女性の場合はフィナステリドによる十分な効果と安全性が確かめられていないため、AGA治療薬として服用することは推奨されていません。

増毛を希望の場合はプロペシア(フィナステリド)だけでは十分な対策といえない

発毛効果を得たい場合、プロペシア(フィナステリド)の服用だけでは十分な対策とはいえません。

プロペシア(フィナステリド)は「5-αリダクターゼ」のはたらきを阻害して“薄毛の進行を防ぐ効果”はありますが、毛を生やす効果は期待できないからです。 “発毛効果”が期待できるのはミノキシジルです。

ミノキシジルは血管を拡張して血行を促進するはたらきや、髪の成長因子の産生を促進するはたらきなどがあります。

名称プロペシア(フィナステリド)ミノキシジル
目的薄毛の進行を防ぐ (DHTの合成を抑制する)発毛を促進させる (頭皮に栄養を行き渡らす)
副作用ED(勃起機能障害)や性欲の減退、精液の減少、射精障害などかゆみや赤み・アレルギー反応など

プロペシア(フィナステリド)が薄毛の進行を止める「守り」の役割だとすると、ミノキシジルは毛を生やす「攻め」の役割を持ちます。

このようにプロペシア(フィナステリド)とミノキシジルは、作用が異なるため、自分の薄毛対策の目的に合わせて服用したり、併用したりしてこそ十分な対策が取れるでしょう。

プロペシア(フィナステリド)の効果を実感するまでの期間

プロペシア(フィナステリド)は即効性が期待できるAGA治療薬では無いため、効果を実感するまでにはある程度の期間が必要です。AGAが手遅れな状態になる前に早期での治療をおすすめします。

  • 効果を実感するまで最低でも服用開始から6ヶ月は必要
  • 服用開始から初期脱毛期間が3ヶ月ほどある

効果を実感するまで最低でも服用開始から6ヶ月は必要

プロペシア(フィナステリド)の効果を実感するまでには、最低でも服用を開始してから6ヶ月は必要です。

健康な状態の髪の毛は、成長期→退行期→休止期を繰り返し、およそ2~6年かけて成長します。しかし、AGAを発症した場合は成長期の期間が短縮され、退行期を早く迎えます。

AGA治療では、まず乱れたヘアサイクルを正常に戻すことからスタートします。ただ、ヘアサイクルは髪の毛1本ずつ異なるため、十分な効果を実感するまでには最低でも服用を開始してから6ヶ月は必要です。

服用開始から初期脱毛期間が3ヶ月ほどある

AGA治療薬には毛母細胞を刺激するはたらきがあるため、服用開始から初期脱毛の期間が3ヶ月ほどあります。そのため、薬の効果を実感するまでの期間は、初期脱毛があることを事前に認識した上で、長期的に捉える必要があります。

十分な効果を実感するまでの期間は、治療を開始する時期やAGAの進行度合いなどによっても違うため、焦らず自分のペースで治療を続けることが大切です。

プロペシア(フィナステリド)をやめてよかったという意見もあり

プロペシア(フィナステリド)を服用していた方の口コミには、一部で「やめてよかった」という意見もあります。

  • 体質により副作用がひどい
  • 毛を生やす効果が表れない

上記のような方は、副作用や毛が生えてこないストレスからの解放により、「やめてよかった」と感じるようです。 しかし、そもそもプロペシア(フィナステリド)は薄毛を防止する効果が期待できるものです。

プロペシア(フィナステリド)だけを服用していても、毛を生やす効果は実感できません。 発毛促進の効果を得たい場合は、ミノキシジルの服用が必要になります。

十分な薄毛対策をとるためにも、治療薬は今の自分の状態に合わせたものを服用しましょう。

プロペシア(フィナステリド)の使用方法・用量

AGAの治療薬としてのプロペシア(フィナステリド)の使用方法・用量は以下の通りです。

推奨用量1mgを1日1回
服用する時間帯特に決まりなし。服用する時間帯によって効果が左右されることはないです。

AGA治療は効果を実感するまで時間がかかるため、途中で焦ったり不安になったりすることもあるかもしれません。しかし、プロペシア(フィナステリド)の用量を増やすことで、十分な効果が得られるわけではありません。

副作用をもたらす危険もあるため、必ず用法や用量は守って服用しましょう。 服用する時間帯については特に決まりはありませんが、AGA治療は継続することが大切です。

「毎日、同じ時間帯に服用する」と習慣づけておくことで、飲み忘れを防止できるでしょう。

プロペシア(フィナステリド)だけで効果が得られなかった場合に考えられること

プロペシア(フィナステリド)だけで効果が得られかった場合、AGA以外の脱毛症を発症している可能性があります。例えば、以下のような脱毛症です。

  • 円形脱毛症…脱毛班(髪の毛の一部が円形に抜け落ちた跡)を生ずる脱毛症
  • 脂漏(しろう)性脱毛症…頭などの皮脂の分泌が多い箇所に起こりやすい脂漏性皮膚炎が原因で生ずる脱毛症
  • 機械性脱毛症…髪の毛を引っ張り続けたり、ヘルメットや帽子などで物理的な力が加わったりすることで生ずる脱毛症

上記に記載したものは一部ですが、AGA以外の脱毛症を発症している場合、プロペシア(フィナステリド)の効果は得られにくいです。

また、AGA治療は長期戦とはいえ、半年経っても1年経っても効果が実感できない場合は、プロペシア(フィナステリド)が体に合っていない可能性もあります。体質は人によってさまざまです。

十分な期間が経っても効果が得られない方は、薬を切り替える必要があるかもしれません。まずは医師に相談してみましょう。

AGA治療を検討中の方はベアAGAクリニックへ

プロペシア(フィナステリド)は薄毛の進行を防止する効果が期待できる治療薬です。ただ、体質やAGAの進行度合いには個人差があるため、合わない薬を服用するとAGAが進行し続ける可能性もあります。 

ベアAGAクリニックでは無料カウンセリングを行なっており、患者さま一人ひとりの髪の状態や体質をヒアリングした上で、プロペシア(フィナステリド)などの内服治療をはじめ、その方に最適な治療法を提案します。 

薄毛の進行が気になる、現在の治療方法に不安がある方はお気軽にベアAGAクリニックへご相談ください。

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ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

【経歴】東京医科大学卒業後、放射線科に入局し、放射線の専門医を取得。大手AGAクリニックで勤務医として約3年間診療現場で実践を重ね経験を積む。2020年2月、新宿三丁目駅の近くにベアAGAクリニック新宿院を開院。
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