COLUMN AGA以外の薄毛・脱毛症

ヘアサイクルが戻らない原因は?ヘアサイクルをもとに戻す方法やヘアサイクルの仕組みについて解説

公開日:2023/03/13

更新日:2023/03/13

  • copied!
  • Twitter
  • facebook
  • line

「抜け毛の量が減らなくて困っている」「このままでは薄毛になるのではないかと心配している」

などと考えている方もいらっしゃると思います。

薄毛や抜け毛の量の増加が気になる方の多くに、ヘアサイクルの乱れが見られます。

ヘアサイクルが乱れたまま放置した場合には、将来の薄毛リスクが増大するため注意が必要です。

本記事ではヘアサイクルの仕組みや正常に戻らない原因、および元に戻す方法について解説します。

抜け毛がなかなか減らない方や、薄毛を改善したい方は参考にしてみてください。

(※本記事は日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」を参考に作成しています。)

正常なヘアサイクルと乱れたへアサイクルの違い

正常なヘアサイクルと乱れたヘアサイクルの違いは、髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの期間です。

正常なヘアサイクルの場合には、1本の髪の毛が生えてから抜け落ちるまでに男性でおよそ4年~5年、女性でおよそ5年~6年かかります。

参照元:ヘアサイクル(毛周期)

乱れたヘアサイクルの場合では、髪の毛が数ヶ月から1年程度で抜け落ちます。ヘアサイクルが乱れるのは、髪の毛の成長期が短縮されるためです。

日本人の髪の毛はおよそ10万本とされますが、髪の毛1本ごとにヘアサイクルは異なります。乱れたヘアサイクルにより成長期の短縮した毛穴が増えると、結果的に薄毛のリスクが増大します。

正常なヘアサイクルの仕組み

ヘアサイクルが正常な場合には髪の毛が成長期に十分成長しますが、何らかの原因により成長期が短縮されて退行期が早く訪れると抜け毛リスクが増大します。ヘアサイクルは以下の4期に分けられます。

  • 成長期
  • 退行期
  • 休止期
  • 脱毛期

ヘアサイクルの4つの時期について解説します。

成長期

成長期は髪の毛が太く長く成長する期間で、ヘアサイクルのおよそ85%~90%を占めます。成長期には毛母細胞が活発に分裂し、髪の毛が1日に0.3㎜~0.4㎜程度伸びます。

正常なヘアサイクルでは髪の毛が1年におよそ15㎝伸びる計算となるため、15㎝未満の抜け毛が増える場合には注意が必要です。

参照:男性型脱毛症と有効育毛成分

退行期

退行期はヘアサイクルのおよそ1%を占めており、毛乳頭細胞のはたらきが弱くなり、髪の毛の成長が鈍くなる期間です。

成長期には毛母細胞が毛乳頭細胞から栄養を受け取り、髪の毛を太く長く成長させます。しかし、退行期に入ると毛乳頭細胞が毛母細胞から分離しはじめるため、髪の毛の成長が鈍くなります。

男性がAGAを発症する原因の1つが、ホルモンバランスの変化によりサイトカインの一種「TGF-β」が生成されることです。

TGF-βは退行期誘発因子とも呼ばれており、成長期を短縮させるはたらきがあります。TGF-βのはたらきにより成長期の短縮した毛穴が増加すると抜け毛リスクが増大します。

休止期

休止期は毛母細胞の分裂が停止する期間で、脱毛期と合わせてヘアサイクルのおよそ10%~15%を占めます。休止期に入ると毛乳頭細胞からの発毛シグナルおよび栄養供給が止まるため、髪の毛の成長が完全に停止します。

また、休止期には毛乳頭細胞と毛母細胞が完全に分離して、髪の毛が毛穴から離れはじめるのが特徴です。何らかの原因により休止期を迎えた毛穴が増加すると、休止期脱毛症を発症するリスクが増大します。

休止期脱毛症を発症した場合にはAGAとは異なり、頭頂部や前頭部だけでなく頭部全体に抜け毛が起こります。

脱毛期

脱毛期は髪の毛が抜け落ちて次の発毛を待つ期間です。脱毛期を迎えた毛穴では、毛根部で新しい髪の毛が作られはじめています。

正常なヘアサイクルの場合には新しく生えてきた髪の毛により、古くなった髪の毛が押し出されて抜ける点が特徴です。

薄毛治療をはじめた場合に一時的に抜け毛の量が増加するのも、ヘアサイクルの正常化により新しい髪の毛が生えてくるためです。

乱れたへアサイクルが正常なヘアサイクルに戻らない理由・原因

乱れたへアサイクルが正常なヘアサイクルに戻らない理由や原因は以下の4つです。

  • 生活習慣の乱れにより血行不良や栄養素不足を引き起こしている
  • 乾燥や皮脂の過剰分泌により頭皮環境が悪化している
  • ストレスにより自律神経が乱れている
  • 産後のホルモン分泌量の減少によりヘアサイクルが乱れている

4つの理由・原因について解説します。

生活習慣の乱れにより血行不良や栄養素不足を引き起こしている

乱れたへアサイクルが正常なヘアサイクルに戻らない場合には、生活習慣の乱れにより血行不良や栄養素不足を引き起こしている可能性があります。

例えば睡眠不足が続いている場合では、就寝中の毛母細胞の分裂が妨げられ抜け毛リスクが増大します。飲酒や喫煙も血行不良を招き、髪の毛の成長を妨げる恐れがあるため注意してください。

また、バランスの偏った食事や無理なダイエットで栄養が不足すると、結果的に髪の毛の成長を妨げ抜け毛リスクが増大します。

乾燥や皮脂の過剰分泌により頭皮環境が悪化している

乾燥や皮脂の過剰分泌による頭皮環境の悪化も、乱れたへアサイクルが正常なヘアサイクルに戻らない原因の1つです。

頭皮が乾燥するとかゆみを生じて掻きむしるなどして炎症が起き、抜け毛リスクが増大する可能性があります。

また、皮脂の過剰分泌により脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)を発症した場合には、AGAを引き起こすリスクが増大すると考えられています。

ストレスにより自律神経が乱れている

ストレスの蓄積による自律神経の乱れも、乱れたへアサイクルが正常なヘアサイクルに戻らない原因の1つです。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つで構成されていますが、ストレス状態が続くと交感神経が優位に傾き、血管が収縮することで血行不良に陥ります。

血行不良に陥ると髪の毛の成長に必要な栄養が不足し、結果的に抜け毛リスクを増大させます。また、交感神経優位の状態が続くと、睡眠の質が低下する恐れもあるため注意が必要です。

産後のホルモン分泌量の減少によりヘアサイクルが乱れている

産後の女性の乱れたへアサイクルが正常なヘアサイクルに戻らない場合は、産後のホルモン分泌量の減少が疑われます。女性ホルモンには主に次の2つがあります。

  • エストロゲン…髪の毛にハリやコシを与える
  • プロゲステロン…ヘアサイクルの成長期を維持する

妊娠中にはエストロゲンとプロゲステロンが盛んに分泌されるため、抜け毛が減る期間とされています。しかし、産後ではエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が激減するため、ヘアサイクルが乱れて抜け毛リスクが増大すると考えられています。

ヘアサイクルが元の状態に戻らない場合はAGAクリニックの受診がおすすめ

乱れたヘアサイクルが元の状態に戻らない場合には、AGAクリニックの受診がおすすめです。ヘアサイクルが乱れる原因は個人によりさまざまなため、セルフケアでは改善できない場合も多いです。

AGAクリニックでは抜け毛や薄毛の治療に特化した医師が、問診や触診、マイクロスコープ検査などを使い一人ひとりの抜け毛の原因を特定します。

ベアAGAクリニックの院長は1万人以上の治療実績があり、一人ひとりに合った豊富な治療の選択肢を提供していることが特徴です。

正常なヘアサイクルに戻らないときに考えられること

乱れたヘアサイクルが正常に戻らない場合には、以下の4つのことが考えられます。

  • AGA(男性型脱毛症)
  • FAGA(女性男性型脱毛症)
  • 分娩後脱毛症
  • 粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)

4つの点について解説します。

AGA(男性型脱毛症)

AGAは男性に見られる代表的な脱毛症の1つです。主に遺伝やホルモンバランスの変化が原因ですが、生活習慣の乱れやストレス、誤ったヘアケアにより抜け毛リスクを増大させる場合もあります。

頭頂部や前頭部にはAGAの原因となる5α-リダクターゼが多く分布しているため、AGAによる抜け毛は頭頂部や前頭部を中心に見られます。

AGAは進行型の脱毛症のため、発症が疑われるにもかかわらず何も対策しなかった場合には、薄毛の範囲がゆっくりと拡大する点が特徴です。

FAGA(女性男性型脱毛症)

FAGAは女性に多く見られる脱毛症の1つです。更年期などに女性ホルモンの分泌量が減少し、男性ホルモンが相対的に増加すると発症リスクが増大します。

しかし、男性ホルモンの増加だけでは説明できない症例も多いため、近年ではFPHL(Female Pattern Hair Loss)と呼ばれることが増えています。

参照元:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

FAGAの特徴は髪の毛全体のボリュームが減少する点で、男性のように局所的にはげ上がる例はほとんどありません。分け目や地肌が透けて目立つ場合には、FAGAを発症している可能性もあるため注意が必要です。

分娩後脱毛症

分娩後脱毛症は産後の女性に多く見られる薄毛の1つで、妊娠中に盛んに分泌された女性ホルモンの激減が原因と考えられています。

しかし、女性ホルモンのバランスが乱れるのは産後だけではないため、分娩後脱毛症にはストレスや睡眠の質の低下、過度のダイエットによる栄養不足、育児にともなう疲労なども関係するのではないかと考えられています。

分娩後脱毛症の症状は個人によりさまざまですが、通常は産後半年から1年程度で治まるのが一般的です。1年以上が経過しても抜け毛が減らない場合には、分娩後脱毛症以外の病気を発症している可能性も疑われます。

粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)

粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)は頭皮環境の悪化が原因で発症し、細かいフケをともなう点が特徴です。大量に発生したフケが毛穴を塞ぐことで、毛穴内部に炎症を起こして髪の毛の成長を妨げます。

粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)の原因は肌質に合わないシャンプーや誤った洗髪方法、パーマやヘアカラーによる頭皮へのダメージ、ストレス、過度のダイエットによる栄養不足などさまざまです。

抜け毛にともない白くて細かいフケの量が明らかに増加している場合には、粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)の発症も疑われるため注意が必要です。

乱れたヘアサイクルを正常化させる方法

乱れたヘアサイクルを正常化させる主な方法は以下の4つです。

  • 皮膚科やAGAクリニックへ相談する
  • 健康的な食事や質の高い睡眠をとり生活リズムを整える
  • 運動や趣味で適度にストレスを発散させる
  • 食事以外でもサプリメントで栄養を補う

4つの方法について解説します。

皮膚科やAGAクリニックへ相談する

乱れたヘアサイクルを正常化させるためには、皮膚科やAGAクリニックへの相談が重要です。ヘアサイクルが乱れる原因はさまざまですが、仮にAGAをはじめとする脱毛症による抜け毛の場合には、生活習慣の改善では根本的な解決にはつながりにくいです。

抜け毛の量が明らかに増加している場合には、AGA専門クリニックへの相談がおすすめです。ベアAGAクリニックではカウンセリングを無料で受けることができるため、まずは電話かメールで気軽に相談しましょう。

健康的な食事や質の高い睡眠をとり生活リズムを整える

健康的な食事や質の高い睡眠をとり、生活リズムを整えることでヘアサイクルを正常化できる可能性があります。特に栄養不足により粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)や女性男性型脱毛症(FAGA)を発症している場合には、食習慣の見直しが欠かせません。

また、髪の毛が成長するためには質の高い睡眠をとり、毛母細胞の分裂を促す必要があります。睡眠の質を向上させる方法の1つが、早起きして朝日を浴びることです。朝日を浴びることにより体内時計をリセットできるだけでなく、夜に自然な眠気が訪れることも期待できます。

運動や趣味で適度にストレスを発散させる

運動や趣味で適度にストレスを発散させることで、ヘアサイクルを正常化できる可能性があります。特に自律神経の乱れによる抜け毛の量の増加が疑われる場合には、積極的にストレスを発散させるよう努めましょう。ストレスへの主な対処法(コーピング)は以下の2点です。

  • 問題焦点コーピング…ストレス自体を取り除く方法
  • 情動焦点コーピング…考え方や感じ方を変える方法

例えば暑さ寒さがストレスの原因であれば、衣類やエアコンなどで解決する方法があります。ストレス自体を取り除けない場合には、他人に悩みを打ち明けることで気持ちが軽くなることもあります。

食事以外でもサプリメントで栄養を補う

ヘアサイクルを正常化させる場合には、食事以外でもサプリメントで栄養を補う方法があります。日々の食事では賄いきれない栄養素はサプリメントでの摂取がおすすめです。

髪の毛の成長を促し、頭皮環境を整えるためには特に以下の栄養素を積極的に摂取しましょう。

栄養素はたらき
ケラチン髪の毛を作るもととなる
L-リジン成長ホルモンの分泌を促す
ビタミンE血行を促進する
亜鉛アミノ酸をケラチンへと再合成する
コラーゲンペプチド毛母細胞のはたらきを活発化させる

ただし、サプリメントはあくまでも栄養補助食品のため、基本的には日々の食事からバランスよく栄養素を取り入れましょう。

ヘアサイクルが戻らない場合によくある質問

ヘアサイクルが戻らない場合によくある質問が以下の2つです。

  • ヘアサイクルの回数には制限がある?
  • 女性と男性でヘアサイクルに違いはある?

2つの質問にお答えします。

ヘアサイクルの回数には制限がある?

ヘアサイクルの回数には制限があります。個人によりヘアサイクルの回数には差がありますが、一般的には15回程度でヘアサイクルが終わりを迎えると考えられています。

参照元:ヘアサイクルの乱れはAGAの原因に。ヘアサイクルの仕組みと改善方法

ヘアサイクルは髪の毛1本ごとに異なるため、すべての髪の毛が同時に抜けることはありません。しかし、成長期を短縮された毛穴が増加すると、薄毛になるまでの期間が短くなります。

また、ヘアサイクルを終えた毛穴からは2度と髪の毛が生えてこないため、乱れたヘアサイクルをできるだけ早く正常化させることが重要です。

女性と男性でヘアサイクルに違いはある?

女性と男性とではヘアサイクルに若干の違いがあります。女性の場合にはヘアサイクルがおよそ5年から6年ですが、男性の場合ではおよそ4年~5年と少し短いのが特徴です。

男性に比較的薄毛が多く見られるのは、女性に比べてヘアサイクルが短いためと考えられます。ヘアサイクルが乱れたまま放置した場合には、若い男性でも薄毛になる可能性があるため注意してください。

ヘアサイクルの乱れがひどいと感じる場合のご相談はベアAGAクリニックへ

ヘアサイクルの乱れがひどいと感じる場合には、ベアAGAクリニックまでご相談ください。ヘアサイクルが乱れる原因は個人によりさまざまなため、まずはクリニックで検査を行ない原因を特定しなければなりません。

仮にAGAをはじめとする脱毛症が原因でヘアサイクルが乱れている場合には、生活習慣の見直しだけでは抜け毛の予防・改善が期待できないこともあります。

AGAを発症している場合では、ヘアサイクルを早期に正常化させることで抜け毛を予防し、年齢相応の見た目まで回復させることが期待できます。

以前と比べて明らかに抜け毛の量が増えている場合には、ヘアサイクルの乱れが疑われるため、できるだけ早めに受診しましょう。

ベアAGAクリニックでは無料でカウンセリングを受けることができるため、抜け毛に関する悩みや費用に関する質問など、なんでも気軽に相談できます。

ヘアサイクルの乱れを感じている方はもちろんのこと、AGA治療の効果が実感できずにお悩みの方も、ベアAGAクリニックまでお問い合わせください。

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

ベアAGAクリニック院長 清水 崇裕 Takahiro Shimizu

【経歴】東京医科大学卒業後、放射線科に入局し、放射線の専門医を取得。大手AGAクリニックで勤務医として約3年間診療現場で実践を重ね経験を積む。2020年2月、新宿三丁目駅の近くにベアAGAクリニック新宿院を開院。
TOP